目次

- 単身パックとは専用の「コンテナボックス」に荷物を積んで運搬するスタイルの引越しサービスです
- 単身パックを利用すると「通常の引越しよりも費用を抑えられる」「事前の見積もりが不要」「荷物の破損や紛失のリスクが少ない」などのメリットがあります
- 逆に「追加料金が発生するリスクがある」「荷物量に制限がある」などのリスクもあるため注意しましょう
単身パックとは

まずは、単身パックの基礎知識を押さえておきましょう。
単身パックとは、「コンテナボックス」と呼ばれるカゴ型の台車を活用した単身者向けの引越しサービスです。コンテナボックスのサイズは決まっており、そのなかに収納可能な荷物のみ運搬してもらえます。呼称は「単身パック」のほか「単身引越しパック」、「単身引越しサービスパック」など業者によってさまざまです。なお、業者によっては単身パックを取り扱っていない場合もあるため、希望する方はコンテナボックスを活用した単身者向けサービスがあるかどうかを問い合わせてみることをおすすめします。
単身パックで利用するコンテナボックスのサイズについて
コンテナボックスのサイズは利用する業者によって異なるものの、高さ130~180㎝・横幅104~108㎝・奥行74~105㎝の大きさが一般的です。基本的にはコンテナボックスに積載可能な荷物のみ運搬してもらえるため、ベッドや食器棚などの大きな家具を運んでもらうことはできません。また、冷蔵庫や洗濯機といった家電製品に関しても、サイズ次第で運搬できない可能性があります。
規定のコンテナボックスに積める荷物の量のみ運搬可能なサービスなので、通常の引越しプランよりも費用は割安となっています。
単身パックの料金相場
単身パックの料金は、コンテナのサイズと引越し先までの距離によって変わります。さらに利用する業者によっても異なりますが、目安となる料金相場は以下の通りです。
■Sサイズ(高さ約130~150cm前後)の料金相場
近距離の場合 | 約12,000円~ |
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遠距離の場合 | 約16,000円~ |
■Lサイズ(高さ約150cm以上)の料金相場
近距離の場合 | 約15,000円~ |
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遠距離の場合 | 約18,000円~ |
なお、夜間や日曜日、祝日などに申し込む場合は割増料金が発生する可能性があります。上記の料金はあくまでも目安になります。
単身パックのメリット
単身パックの特徴を押さえたところで、続いては引越しの荷物運搬に単身パックを利用する主なメリットをご紹介します。
- 通常の引越しプランよりも費用をおさえられる場合が多い
- インターネット上から気軽に予約できる
- 電話や訪問での見積もりがいらない
- 荷物破損のリスクが少ない
- 荷物の搬出や搬入を行ってくれる
割引サービスを行っている事業者もあります。
それぞれのメリットについて、さらに詳しく解説します。
通常の引越しプランよりも費用を抑えられる場合が多い
単身パックを利用する最大のメリットが、引越し費用を抑えられることです。単身パックでは1台のトラックに複数のコンテナボックスを積んで運搬するスタイルなので、1家庭につき1台のトラックを貸し切る形で運搬する通常の引越しに比べて、料金は安めの設定となっています。
また、1つのコンテナボックスに載せる荷物量が少ないことから、作業員の数が少なくて済む点も、費用が安い理由のひとつです。
インターネット上から気軽に予約できる
単身パックの申し込み方法は、業者によって異なるものの、多くのケースではインターネット上で簡単に予約できます。面倒な手間がかからないため、手軽に利用できる引越しサービスをお探しの方におすすめです。
電話や訪問での見積もりがいらない
単身パックは積める荷物の量が、コンテナボックス単位と決まっていることから、電話や訪問での見積もりが不要なケースが一般的です。通常の引越しのように見積もり日程の調整や複数の業者への相見積もりなどの手間がかからず、気軽に引越し準備を進められます。
荷物破損のリスクが少ない
単身パックのコンテナボックスは、金属製で頑丈な場合が多く、さらには滑車が付いていてスムーズに運べることから荷物が破損するリスクが少ないです。また、荷物は出発から到着までの間、コンテナボックスに入っているため、紛失の可能性もほとんどありません。
荷物の搬出や搬入を行ってくれる
単身パックは格安の引越しプランでありながら、荷物の搬出や搬入は通常の引越しと同様にプロの作業員が行ってくれます。業者によっては新居での荷解きや設置も行ってくれる場合もあるため、車を用いて自分で荷物を運ぶよりも作業負担の削減が可能です。
割引サービスを行っている業者もある
単身パックを取り扱っている業者のなかには、申込み時期や方法によって割引サービスを実施しているところもあります。もともと費用を抑えられる引越しプランですが、割引サービスを利用することで、さらにお得に引越しを行えるでしょう。
なお、割引サービスを利用する条件としては、インターネット経由で申し込む場合や2つ以上のコンテナボックスを利用する場合などが挙げられます。
単身パックのデメリット
単身パックには上記のさまざまなメリットがある半面、知っておきたい注意点も存在します。以下でご紹介するデメリットにも注目して、利用すべきかどうかを慎重に検討することが大切です。
- 追加料金が発生する可能性がある
- 荷物のサイズに制限がある
- 新居への荷物到着は翌日以降となる
- ダンボールの無料提供がない
上記の項目について詳しく見ていきましょう。
追加料金が発生する可能性がある
荷物量が少ない場合には安全・安価な単身パックの利用がおすすめですが、想定よりも荷物が多くなる場合には、もう一つコンテナボックスを追加しなければなりません。その場合には追加料金が発生するため、予算以内に収まらない可能性があるため注意しましょう。
また、当日になって積みきれないことが判明したり、コンテナボックスを追加できなかったりした際にも、自力での運搬や宅配便、別プランへの申し込みなど、新たな配送手段を考える必要があります。この場合、自分で運ぶためのレンタカー料金・ガソリン代・宅配便の配送料・追加したプラン料金などが発生し、場合によっては通常の引越しプランよりも高くつく可能性もあるので注意しましょう。
荷物のサイズに制限がある
単身パックはコンテナボックスのサイズに収まることが条件です。そのため、基本的に大きな家具や家電製品は運べません。たとえば、背の高いタンスやベッドなどはコンテナボックスには収まらないケースが多く、別送などの手配が必要です。その場合は別送の料金がかかるほか、希望通りのスケジュールで配送されない可能性もあります。
また、単身パックでは大きなサイズのものだけでなく、エンジンがついた乗り物や花火などの危険物、高価な美術品・有価証券といった貴重品、ペットをはじめとした生き物なども運搬の対象外です。細かなルールは業者によって異なるため、申し込む前にしっかりと確認しておきましょう。
新居への荷物到着は翌日以降となる
単身パックを利用する場合には、基本的に荷物の到着は翌日以降です。移動距離が近い場合でも当日に受け取れないケースが多いため、引越し当日に荷解き作業を行うことができません。
ただし、利用する業者によっては当日に受け取れるオプションサービスを提供しているところもあります。早めに引越し作業を進めたい場合は、当日便を利用できるかどうかを事前に確認することが大切です。
ダンボールの無料提供がない
梱包資材を無料でもらえないケースが多いことも、単身パックにおけるデメリットの一つです。一般的に引越しの荷造り時にはダンボールを活用して荷物を詰めることから、通常の引越しプランではダンボールやガムテープ、食器用の包装用紙などの梱包資材を無料で支給してもらえる傾向があります。しかし、単身パックではダンボールの無料提供を行っていない業者が多く、有料にて購入するか、自分で用意しなければならない場合も少なくありません。また、開梱した後の包装資材の回収も有料であることが多いので、費用を抑えたい場合は自分で処分する必要があります。
ダンボールを無料で入手する方法についてはこちらの記事をご覧ください。
単身パックでの大型荷物の運送について

単身パックでは「コンテナボックスに入りきらない荷物は運べない」とお伝えしましたが、サイズや形状によっては大型家具や家電製品でも運搬可能な場合があります。以下ではベッドやテレビ、冷蔵庫といった大型家具・家電の例を挙げながら、単身パックでも運搬可能なケースの例について解説します。
ただし、運搬可能かどうかは取り扱っているコンテナボックスのサイズやほかの荷物の量によっても異なります。あくまで目安として捉え、実際に申し込む前にしっかりと確認することが大切です。
ベッド
シングルサイズで折り畳み式・組み立て式のベッドの場合は、単身パックで運搬できる可能性があります。また、マットレスも折り畳めるものや分割できるものであれば、単身パックのコンテナボックスに収納しやすいでしょう。
上記以外のベッドは、基本的にコンテナボックスには収まらないケースが多く見られます。別送すると高くついてしまう場合もあるため、単身パックではなく通常の引越しプランを利用するか、引っ越し先で新調することを考えてみるのも一つの方法です。
テレビ
単身者は1R・1Kに住むことが多いため、だいたい40インチくらいまでのテレビを持っている方が多いようです。その程度のサイズのテレビであれば、単身パックのコンテナボックスでも無理なく積めるでしょう。
冷蔵庫
一人暮らしの方向けの冷蔵庫サイズは、ほとんど自炊をしない場合は100リットル程度、自炊メインの方であれば200リットル程度が目安と言われています。単身パックのコンテナボックスには、150リットルくらいまでの冷蔵庫であれば積載可能な場合が多いため、単身者向けの冷蔵庫であれば運搬可能なケースが多いと認識しておきましょう。ただし、コンテナボックスのサイズは業者によって異なるため、ご自身で判断せずに業者に確認することをおすすめします。
洗濯機
一人暮らしの方が使用している洗濯機は、容量が4~6㎏のものが一般的です。大きなサイズのコンテナボックスであれば、一人暮らし向けの洗濯機を運べることが多い傾向にありますが、コンテナボックスのサイズと運搬可否を業者に確認することをおすすめします。
単身パックが向いている人の特徴をチェック
ここまでご紹介した内容を踏まえたうえで、単身パックをおすすめしたい人の特徴をご紹介します。単身パックを利用しようか迷っている場合は、ぜひ参考にしてみてください。
単身赴任による引越しの人
単身パックは運搬できる荷物量に制限があるため、家具や家電の量が少ない方におすすめのサービスです。たとえば単身赴任の場合には必要最低限の荷物量に抑えやすいため、単身パックの利用を検討してみると良いでしょう。
家具付き住居やシェアハウスなどへの引越しする人
物件によっては家具や家電が備え付けられているケースもあり、そのような場合は大きな家具や家電を運搬する必要がありません。そのほかの荷物が特別多くなければ、単身パックのコンテナボックスに十分収納できるでしょう。
初めて一人暮らしする人
実家を出て一人暮らしを始める場合で、家具や家電を引越し後にそろえようと計画している方もいるかもしれません。そのような場合も大きなサイズの荷物が少なくて済むため、単身パックを利用して費用を抑えた引越しを実現できるでしょう。
単身パックが向いていない人の特徴
最後に単身者でも単身パックではなく、通常の引越しプランを利用するほうがいいケースについて、チェックしておきましょう。以下のようなケースは、荷物量に制限のない引越しプランを選ぶことをおすすめします。
- 大きなサイズの家具や家電が多い
- 荷物量が多く、たくさんの梱包用ダンボールを必要とする
なお、荷物量に制限のない通常の引越しプランでも、単身者向けに費用をおさえたタイプは多く存在します。場合によってはそちらを利用するほうが単身パックよりも安く済む可能性もあるため、どのような引越し方法が適しているのかを吟味して申し込みましょう。
単身パックを提供している事業者5選
単身パックを提供している事業者を5つ紹介します。それぞれの事業者で対応エリアやオプションサービスの有無、支払い方法などに違いがあるので、どの事業者が自分には合っていそうか比較してみてください。
日本通運

画像出典:日本通運
日本通運の単身パックには、下記の通り2つのプランがあります。
<単身パックS・L>
「Sサイズ」プランの場合は高さ(155cm)×幅(108cm)×奥行き(74cm)、「Lサイズ」プランの場合は高さ(175cm)×幅(108cm)×奥行き(104cm)のBOXに積載できる荷物量が目安です。現住所から新居まで車で30分以上かかる遠距離で、ベッドやソファなど大型の荷物が少ない方を対象としています。
<単身パック当日便>
単身パック当日便は、おおよそ一人分の荷物量が目安で、引越し作業が半日で完了するのが特徴です。主な利用条件は、単身で1R~2DK(目安)に住んでおり、現住所から新居まで車で30分前後の方となっています。このプランには、現住所から新居への引越し作業のほか、梱包用資材の提供や引越荷物運送保険などが含まれます。
運営会社 | 日本通運株式会社 | 対応エリア | 全国 |
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見積もり方法 | Web、電話 | オプションサービス | 除菌・抗菌、エアコン工事、電気・水道・ガス工事、荷物の一時保管など |
拠点数 | 188ヶ所 | 単身パック | あり |
女性向けサービス | 特になし | 支払方法 | 現金、クレジットカード、QRコード決済 |
本店所在地 | 東京都千代田区神田和泉町2番地 | 電話番号 | 0120-154-022 |
※2022年8月時点
サカイ引越センター

画像出典:サカイ引越センター
サカイ引越センターでは、「小口便引越プラン」という名前で単身パックを提供しています。「小口便引越プラン」は、関東から関西、関西から九州など長距離の引越しのみが対象です。東京都内や首都圏内など近距離の引越しを予定している方は、別のプランを選ぶ必要があります。
荷物量は、高さ(144cm)×幅(105cm)×奥行き(75cm)のBOXに積める量が目安です。料金やお届け日はエリアによって異なるため、見積もりをお願いしたい方は問い合わせフォームまたはフリーダイヤルから問い合わせが必要です。また、有料サービスではありますが、ダンボールやガムテープ、布団袋など、梱包資材のセット販売も行っています。
運営会社 | 株式会社サカイ引越センター | 対応エリア | 全国 |
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見積もり方法 | Web、電話、LINE | オプションサービス | エアコン等の電気工事、不用品買取、ピアノ輸送など |
拠点数 | 全国200支社以上 | 単身パック | あり |
女性向けサービス | 特になし | 支払方法 | 現金、クレジットカード |
本店所在地 | 大阪府堺市堺区石津北町56番地 | 電話番号 | 0120-00-1141 |
※2022年8月時点
西濃運輸

画像出典:西濃運輸西濃運輸の単身パックには、「カンガルー引越便(単身引越)」と「カンガルー単身MAX+1」の2つがあります。
<カンガルー引越便(単身引越)>
「カンガルー引越便(単身引越)」は単身赴任者や学生など荷物が少ない方向けのプランで、料金は引越しの日時や荷物量によって決定します。
<カンガルー単身MAX+1>
「カンガルー単身MAX+1」では、170cm(高さ)×115cm(幅)×128cm(奥行)のBOXに積載できる荷物量の対応が可能です。別料金になりがちな自転車も、1台のみであればBOX料金に含められます。2本目以降のBOXや14日以上前の予約は1,100円(税込)が割引されるなど、各種割引サービスが適用されます。(3月15日~4月10日の期間は割引サービス適用外)
運営会社 | 西濃運輸株式会社 | 対応エリア | 全国 |
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見積もり方法 | Web、電話 | オプションサービス | 不用品買取 |
拠点数 | - | 単身パック | あり |
女性向けサービス | 特になし | 支払方法 | - |
本店所在地 | 岐阜県大垣市田口町1 | 電話番号 | 0120-754-754 |
※2022年8月時点
福山通運

画像出典:福山通運
福山通運では、「青春引越便」という名前で単身パックを提供しています。「青春引越便」の利用におすすめの方は、1Rや独身寮に住んでいる方、単身赴任で引越す方、一人暮らしの学生などです。
190cm(高さ)×110cm(幅)×110cm(奥行)のBOXに積載できる荷物量の対応が可能で、配達は希望日時の午前または午後に行います。
引越し料金は、BOX数と配達エリアをもとに算出。福山通運公式サイトの「引越見積もりシミュレーション」または「正式見積り依頼フォーム」に入力することで料金を事前に確認できますが、電話での問い合わせも受け付けています。
運営会社 | 福山通運株式会社 | 対応エリア | 全国 |
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見積もり方法 | Web、電話 | オプションサービス | 切符・宿泊の予約、ピアノの搬送、マイカーの回収など |
拠点数 | 417ヶ所 | 単身パック | あり |
女性向けサービス | 特になし | 支払方法 | - |
本店所在地 | 広島県福山市東深津町四丁目20番1号 | 電話番号 | 0120-74-2920 |
※2022年8月時点
ヤマトホームコンビニエンス

画像出典:ヤマトホームコンビニエンス
ヤマト運輸の単身者向けプラン「わたしの引越」は、Web上で見積もりが完了するため、訪問や電話の必要がありません。引越し料金はBOXの利用数とエリアによって算出し、申し込み時に荷物の情報を入力することで詳細を確認できます。
荷物量は170cm(高さ)×100cm(幅)×100cm(奥行)のBOXに積載できる量で、BOXは最大2本まで選べます。BOXの本数と移動エリアによって料金が異なり、また土日祝日やシーズン期間は加算料金を支払わなければいけません。BOXに積載できない大型の荷物に関しては、「らくらく家財宅急便」という別プランで送れます。
荷物の届け日は集荷日から7日後までの範囲で指定でき、15時までに申し込みが完了した場合は最短で翌々日の集荷が可能です。
運営会社 | ヤマトホームコンビニエンス株式会社 | 対応エリア | 全国 |
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見積もり方法 | Web、電話 | オプションサービス | 家電の取り外し・取り付け、家具の分解・組み立て |
拠点数 | 6ヶ所 | 単身パック | あり |
女性向けサービス | 特になし | 支払方法 | 現金、クレジットカード |
本店所在地 | 東京都中央区日本橋3丁目11番1号 HSBCビルディング6階 | 電話番号 | 0120-008-008 |
※2022年8月時点
まとめ
単身パックは「費用を抑えられる」「事前見積もりが不要で気軽に利用できる」などの点が魅力的な便利なサービスです。ただし、荷物量に制限があることから通常の引越しプランを利用するほうが適している場合もあるため、ご自身の荷物量をしっかりと確認のうえで申し込むと良いでしょう。
もしも利用しようかどうか迷う場合は、まずは引越し業者に相談してみてください。また、業者によって、コンテナボックスのサイズが異なるため、可能であれば複数の業者に問い合わせをして、自分にとって最適な引越し方法を見つけることをおすすめします。