目次

- 引越しの挨拶で渡す粗品は近隣の住民が500~1,000円程度が相場です
- 大家さんや管理人の場合は相場で1,000~3,000円程度です
- 粗品には熨斗(のし)を付けるとより丁寧な印象を与えられます
引越しの挨拶に行く際は、粗品を渡すのが一般的です。挨拶と同時に粗品を渡すことで、相手に丁寧な印象を与えられ、近隣の住民と良好な関係を築くきっかけに繋がります。粗品を選ぶ際は、受け取る相手が負担にならないものを選びましょう。また、大家さんや管理人に粗品を渡す場合は、近隣住民より相場の高いものを選ぶと好印象です。
ここでは、引越しの挨拶で渡す粗品の相場や、挨拶の範囲、引越し挨拶で定番の手土産、熨斗(のし)の付け方についてご紹介します。
引越しの挨拶で渡す粗品の相場は?
引越しの挨拶で手土産を持参する場合は、単価500~1,000円程度が一般的とされています。これ以上高額になると、相手の負担になる可能性もあるため避けましょう。
引越しの挨拶で粗品を渡した方が良い理由は、近隣の住民と良好な関係を築くためです。引越し作業の騒音に対するお詫びや、生活音などで迷惑をかけることを前もって伝えておくと、トラブルに繋がりにくくなるでしょう。
挨拶のタイミングは、可能であれば引越しの前日、遅くても1週間以内に済ませておきます。小さな子どもがいる家庭などは、なるべく全員で挨拶に行くのをおすすめします。ただし、一人暮らしの女性の場合は防犯上のリスクがあるため、挨拶を行わなくても問題ありません。
一人暮らし女性の引越し挨拶についてはこちらの記事をご覧ください。
大家さんには少し良いものを贈ろう
大家さんに挨拶するのであれば、ほかの住人に渡す粗品より少し高価なものを贈りましょう。相場としては、1,000~3,000円程度とされています。大家さんのほか、管理人や町内会長さんへ粗品を渡す場合も大家さんと同じ相場で良いでしょう。なお、引越し手続きの際にお世話になった不動産会社には、粗品を渡す必要はありません。
大家さんや管理人、町内会長さんは、新生活のトラブルや悩み事が起こった際に頼りになる存在です。あらかじめ良好な関係性を築いておけば、相談もしやすくなるでしょう。
引越しの挨拶は誰にするべき?
戸建ての場合は、顔を合わせる機会が多い両隣と向かい側の3軒、そして真裏の家の計4件に挨拶に行きます。地域によっては町内会や自治体への挨拶が必要な場合もあるため、近隣の人に確認しておきましょう。また、社宅の場合は、渡す順番や範囲などが決まっている場合があるため、大家さんや社内の事情に詳しい方に確認する必要があります。
引越しの挨拶は土日の昼間、午前10時~午後5時頃までの時間帯に行くのがおすすめです。平日は働いていて留守にしている方も多いため、なるべく休日に伺いましょう。どうしても日中にタイミングが合わない場合は、午後7時~8時台に伺います。これより遅い時間は、非常識な印象を与えることもあるため避けましょう。
複数回訪問しても不在の場合は、簡単な挨拶文と引っ越してきた日、名字を記載した手紙を添えて粗品をドアノブにかけておきます。ポストに入る場合は、ポストに投函しても良いでしょう。何度も訪問するのは迷惑になる可能性があるため、常識の範囲内で訪問することがポイントです。
挨拶の時間帯についてはこちらの記事をご覧ください。

マンション・アパートの場合は?
集合住宅の場合は、出かける際に顔を合わせやすい両隣と、生活音が響きやすい真上・真下の住戸に挨拶に行きましょう。見ず知らずの世帯から聞こえる生活音は不快感を与えやすく、場合によってはトラブルに繋がります。日頃から適度なコミュニケーションをとって良好な関係を築いておくことが大切です。顔見知りになることで、常識の範囲の騒音であれば大目に見てもらえるかもしれません。
「小さな子どもがいる」「生活リズムが不規則」など、不安要素がある場合は挨拶の際に伝えておきましょう。大家さんや管理人がいる場合も忘れずに挨拶に行きます。
また、アパートなどでワンフロアの世帯数が少ない場合は、入居するフロアのすべての住人に挨拶しても問題ありません。不安な場合は、挨拶の範囲を広げても良いでしょう。
引越し挨拶で定番の手土産
引越しの挨拶の手土産は生活用品や消耗品、食品などを渡すのが一般的です。おすすめの手土産として以下が挙げられます。
- キッチンの必需品の詰め合わせ(ラップやクッキングシート、保存袋など)
- ティッシュペーパー
- トイレットペーパー
- キッチンペーパー
- 地域指定のごみ袋
- バスソルト
- お茶
- ギフトカードや食事券
そのほか、定番の粗品には以下のようなものがあります。ここでは、これら4つの粗品について、渡す際の注意点や選び方をご紹介します。
- お菓子・食品
- タオル・ふきん
- 洗剤
- 蕎麦
引越し挨拶の定番の粗品
粗品は、誰がもらっても困らないものを選ぶことがポイントです。高すぎて相手の負担になるものや、好みが分かれる味・香りは避けましょう。相手に不快な気持ちを与えないものを選ぶことが大切です。
お菓子・食品
お菓子や食品は、常温で保存できて日持ちするものを選びます。洋菓子であれば、クッキーやバウムクーヘン、マドレーヌ、ゼリーなどがおすすめです。和菓子であれば、どら焼きやおせんべい、かりんとうなどが良いでしょう。いずれも好きなタイミングで食べられる個包装のものがおすすめです。食品を渡す場合は、お米や調味料などが定番です。ただし、好みが分かれる味は選ばないようにしましょう。
なお、アルコールやカフェイン、ナッツなどは相手の体質に合わない可能性もあるため、避けた方が無難です。また、県外に引っ越した場合は、住んでいた地域の名産物を渡すと喜ばれることもあります。
タオル・ふきん
タオルやふきんなど、日常的に使うものも定番の粗品です。家族構成や性別を選ばない点も人気の理由です。使い心地の良さや、万人受けするシンプルなデザインを選びましょう。高品質なブランドのものから、手ごろな価格のものまでさまざまな種類があります。
タオルは、フェイスタオルやウォッシュタオル、ハンドタオルなどがおすすめです。これらは、いくらあっても相手を困らせることはありません。また、ふきんを渡す場合は、吸水性・速乾性に優れたものや塩素系漂白剤が使用可能、防菌防臭加工など実用的な機能を備えているものだと喜ばれます。
洗剤
食器用洗剤や洗濯用洗剤、掃除用洗剤などもおすすめです。洗剤類は、コンパクトなタイプも増加しており、粗品として渡すのにちょうど良いでしょう。また、洗剤と関連して、ハンドソープも人気があります。いずれも香りや刺激が強いものは避け、定番のメーカーのものを選ぶと良いでしょう。選んだものが相手の好みと異なる場合もあるため、渡す際に「差し支えなければお使いください」などと一言添えると良いでしょう。
そのほか、キッチンセットやバラエティセット、ギフトセットなどもおすすめです。複数の洗剤やスポンジの組み合わせが入っていて、豪華な印象を与えてくれます。
蕎麦(そば)
江戸時代から伝わる風習に「引越し蕎麦」があります。引越し蕎麦は「細く長くお付き合いしましょう」「そばに引っ越してきました」という意味を込めて近隣住民に渡すものです。現在は、「賞味期限内に食べきるのが難しい」「アレルギーを持つ方には渡せない」などの理由から渡す機会が減りました。
しかし、本来の意味から引越し蕎麦を渡したいという方もいらっしゃるでしょう。その場合は、稲庭うどんやそうめんで代用するのもおすすめです。どうしても蕎麦を渡したいのであれば、渡す前に相手のアレルギーの有無を確認しましょう。アレルギーがあった場合に備えて、タオルやふきん、洗剤などの消耗品を代用品として用意しておくのも良いかもしれません。
手土産に熨斗(のし)は付けるべき?

手土産には熨斗を付けた方が、丁寧な印象になります。熨斗は、紅白蝶結びのタイプを選び、品物の上からかけましょう。水引きの上の表書きには「御挨拶」または「粗品」と記載し、水引の下には名字のみを記します。
紅白蝶結びは何度も結び直せることから「何度繰り返してもおめでたい」という意味があり、一般的なご挨拶やお祝い事に用いられる結び方です。表書きは印刷で記載することが一般的ですが、手書きにする場合は毛筆や筆ペンを使いましょう。
店舗や通販で熨斗を依頼すると、お店によっては、熨斗付けまで行ってくれることもあります。なお、自分で熨斗を付ける場合は「弔辞掛け」(ちょうじがけ)にならないように注意しましょう。弔辞掛けは、品物を裏返した際に左側の紙が上にくる掛け方です。引越しの挨拶の場合は、両側面で留めるか、重なった紙の右側が上にくる「慶事掛け」(けいじがけ)が適しています。
のしについてはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
ここまで、引越しの挨拶で渡す粗品の相場や定番の品物についてご紹介しました。粗品は、相手の負担にならない金額で、好みの分かれない無難な品物を渡すことがポイントです。引越しの挨拶は、第一印象を決める大事な機会です。適切な粗品を選び、近隣の住民と良好な関係を築きましょう。