引越し挨拶に対するお返しは必要?対応方法を解説

引越し挨拶に対するお返しは必要?対応方法を解説
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summary
  • 引越し挨拶に対するお返しの品は不要です
  • 引越しの手土産のお礼は後日会ったときにも伝えるのがマナーです
  • 不在時に引越しの挨拶品が届いた場合はお礼を伝えに伺うと良い印象を持ってもらえるでしょう

お隣さんが引越しの挨拶に手土産を持ってきたら、あなたならどうしますか?「これまで引越しの挨拶をされたことがない」、「挨拶をされたことはあるが、正しい対応がわからない」という方は意外と多いのではないでしょうか。反対にこれから挨拶回りを控えているという方も、挨拶回りが必要な理由や喜ばれる手土産などがわからないかもしれません。そこでこの記事では、引越しの挨拶に関する基礎知識やマナー、注意点などを詳しく解説します。引越し挨拶を控えている方はぜひ参考にしてください。また、引越し挨拶をされた方は基本的にはお返しをする必要はありません。その理由や、例外についてもご紹介します。

引越しの挨拶とは

そもそも引越しの挨拶は、ご近所さんとの良い関係を築く第一歩として大切なものです。そして、引越しの挨拶回りをする範囲やお渡しする品物の価格など、引越し挨拶にまつわるあれこれには、ある程度のルールがあります。例えば、挨拶回りの範囲を知らないと、自宅が一般的に挨拶をする範囲からは外れているのにも関わらず、「うちには挨拶に来なかった」と無駄に悪い印象を抱いてしまうかもしれません。挨拶をする側もされる側も、基礎知識を身につけることで、予期せぬトラブルを避けることができます。ここでは、まず引越しの挨拶に関する基礎知識を解説していきます。

挨拶する対象

戸建てに引っ越す場合に挨拶する対象は、基本的に以下のとおりです。

  • 両隣
  • 向かいの3軒
  • 自治会長や町内会長

マンションなどの集合住宅の場合は、以下を対象とするのが一般的です。

  • 両隣
  • 真上、真下の階
  • 自治会長や町内会長
  • 大家や管理人

引越しの挨拶は、「迷惑をかける可能性がある方」「今後お世話になる可能性がある方」に対して行います。そのため上記の対象はあくまで基本であり、自宅を囲うすべてのお宅に挨拶回りをしても間違いではありません。

なお、マンションの場合は真上の階に住む方への挨拶は必須ではありません。なぜなら上の階は、隣や下の階とは異なり生活音などの騒音が響きにくいからです。したがって上の階に住む方に迷惑をかける可能性は高くありませんが、反対に迷惑を被る可能性があります。そのため、今後良好なご近所付き合いをしていくために、一度は上の階に住む方と顔を合わせておくことをおすすめします。

引越し挨拶のタイミングについてはこちらの記事をご覧ください。

挨拶で渡す品物

どうしても必要というわけではありませんが、挨拶の際に手土産を持っていくと印象が良くなることもあります。余裕があれば、手土産を持って行くようにしましょう。以下では、手土産を渡す際に悩みがちな、「相場」や「選ぶ品目」、「のし」についてご説明します。

相場

手土産というと相場がわからず、安いお菓子で良いのか、それとも高価な食器が良いのかと迷うかもしれません。挨拶を控えている方のなかには、「高いものなら喜ばれるだろう」と思う方もいるでしょう。しかし、高価な品物を渡すことは好ましくありません。「お礼のお返しをしなければ」と相手に気をつかわせるためです。挨拶の手土産として好ましい価格帯は、500円~1,000円程度です。

品目

好まれるものは、「食べ物」や「日用品」といった相手が使い道に困らないものです。お菓子やラップなどの消え物やタオルなどの日用品は、多くあっても困らないため特に好まれるでしょう。

また、食べ物を挨拶品に選んだ場合は、ご家庭にアレルギーを持っている方がいる可能性もあるので、渡す前にアレルギーはないか確認するなどの配慮を忘れないようにしましょう。

のし

手土産には「紅白の蝶結び」の水引があしらわれた「外のし」をかけて渡しましょう。紅白の蝶結びは、繰り返しても良いお祝い事やお礼などに使用する水引です。外のしとは、包装紙で包んだ品物の上からかけるのしを指し、品物を手渡しする際に使用します。百貨店や大型スーパーのギフトコーナーで品物を購入すればのしをかけてくれる場合もありますが、ドラッグストアなどで購入する場合は自分で外のしを用意しましょう。外のしには、表書きと自分の名字を記しましょう。表書きとは、水引の上に書く、贈り物の目的についての記載のことです。新居での挨拶の場合は表書きに「御挨拶」と、旧居での挨拶の場合は「御礼」と記します。いずれも表書きの下に自分の名字を記載しましょう。

のしについてはこちらの記事をご覧ください。

引越しの挨拶に対するお礼の品は不要!

手 不要 NO

ここまでは、これから引越しの挨拶をする方に向けて基礎知識を解説してきました。ここからは、引越しの挨拶を受けたときに、お礼の品を贈るべきか悩んでいる方向けの解説です。結論から言うと、引越しの挨拶へのお礼の品は必要ありません。以下で理由を解説します。

引越し挨拶の位置づけ

引越しの挨拶には以下のような意味が込められています。

  • 引越しの作業に伴いご迷惑をお掛けしました。
  • 今後もご迷惑をお掛けするかもしれませんが、よろしくお願いします。
  • これからもお付き合いよろしくお願いします。

お詫びやお礼の気持ちを込めて訪問し、手土産を渡すため、それに対してお返しの品物を渡す必要はありません。変に気を遣ってお返しをすると、逆に相手に気を遣わせることになります。「ご挨拶ありがとうございます、こちらこそよろしくお願いします」という気持ちを込めて手土産をありがたく受け取り、お返しは控えるようにしましょう。

お礼はしっかり伝えよう

手土産のお礼については、引越しの挨拶を受けた際に直接伝えれば十分だと思う方もいるでしょう。しかし、受け取ったときにお礼を言って終わりではなく、後日お会いした際に改めてお礼を伝えるのが好ましいとされています。伝える内容としては、例えば、「先日はわざわざありがとうございました」、「ありがたく使わせていただきました」、「美味しくいただきました」などの感謝の気持ちです。使った感想や食べた感想を伝えても良いかもしれません。

また、引っ越してきたばかりの方は、地域のルールやごみ出しのルール、自治体の情報など、わからないことがたくさんあります。ご近所さんとの繋がりが弱いため情報を得にくいので、顔を合わせた際に地域特有のルールなどを伝えてあげると親切です。

後日お会いしたときに一声掛けることは、ご近所付き合いを始めるきっかけにもなります。また、会話を重ねることで引っ越してきた方の人間性などを知ることもできるので、防犯面での安心にも繋がるでしょう。

ご近所付き合いのきっかけになる

引越しの挨拶は、挨拶をする側だけでなく、された側にとってもご近所付き合いを始める良いきっかけとなります。引越し挨拶を受けたときだけではなく、後日会ったときに改めて挨拶のお礼をすることで、近所の方との会話のきっかけにもなります。お礼の言葉に加えて、もらった手土産の感想や地域の話をするのもおすすめです。今後良好なご近所付き合いをするためにも、引越し挨拶に対してきちんとお礼の気持ちを伝えることで、良い印象を持ってもらうことに繋がるでしょう。

引越しの挨拶の際に不在にしていたら?

引越しの挨拶回りをしているときに、受ける側が常に自宅にいるわけではありません。挨拶の際に家主が不在の場合は、玄関先などに手土産やお手紙を残していることがあります。ではその場合、受け手はどのように対応したら良いのでしょうか。ここからは、挨拶時に不在にしていた場合の適切な対応を解説します。

再訪してお礼を伝えよう

玄関先などに置かれた手土産はありがたく受け取りましょう。その後、挨拶に来てくれた方のお宅に伺ってお礼を伝えるとなお良いでしょう。手土産を受け取って終わりというのも間違ってはいませんが、自ら出向いてお礼を伝えれば、良い印象を持ってもらえるかもしれません。

そのほかにも、訪問してお礼を伝えるべきである理由があります。第一に、引っ越してきた方は忙しい時間の合間を縫って挨拶回りをしている場合が多いからです。第二に、相手方は何度か訪問している可能性があるからです。一度の不在であれば、引っ越してきた方は日を改めて再訪している可能性があります。何度も足を運んだけれど毎度タイミングが合わずに、結果的に手土産を残したということも考えられるでしょう。

このように、挨拶回りをしている方は手間を惜しまずに礼儀を尽くそうとしている可能性があります。また、手土産を受け取ってもらえたのかわからない不安を抱えていることもあるでしょう。そのため、可能であればお宅を再訪して、不在にしていたことへのお詫びと手土産のお礼を伝えましょう。相手のお宅がどこかわからない場合でも、引越しの挨拶をする範囲と外のしに記された名字をもとに探せばおおよその検討がつくはずです。

再訪時に不在の場合

不在にしていたお詫びなどを伝えに、引っ越してきた方のお宅へ出向いたとしても、今度は相手が不在にしている可能性もあります。

例えば、単身で引っ越してきた方は、平日の日中に会社に行っていたり休日も買い物に出かけていたりと不在にしていることが多いでしょう。また、最近では防犯のために居留守を使う方もいます。

何度か足を運んで直接挨拶ができればベストですが、相手のお宅を訪ねるのは3回を限度としてください。なお、タイミングが合わなかったり居留守を使っていたりしてお会いできなければ、手紙をポストに投函するのも良いでしょう。また、相手が単身の女性である可能性が高い場合も無理に会おうとすると怪しまれるため、お礼の手紙を残すほうが良いかもしれません。手紙の内容は、不在にしていたお詫びと手土産のお礼を記すほかに、氏名や部屋番号なども記載しておきましょう。

手紙の例文

このような場合、手紙を書くときに気を付けるべきポイントは、今回の自分の番でやり取りをきちんと終わらせることです。内容は簡潔にまとめましょう。むやみに内容を盛り込むと、相手にまた返事をするべきかと悩ませることになりかねません。

ここでは、引っ越してきた相手が不在だったときの手紙の例文をご紹介します。

○○様

隣の家の○○と申します。

先日はご丁寧に挨拶に来ていただきありがとうございました。

不在にしており申し訳ありません。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

挨拶や再訪の際に気を付けること

インターホン 押す 指

ここまでは、挨拶をするときのマナーやお返しのマナーなど、挨拶をする側とされる側の双方の役に立つ情報をご紹介してきました。ここからは、引越しの挨拶をする際のタイミングと時間帯について解説します。これを踏まえて行動すれば、互いのすれ違いを防ぐことができるでしょう。

タイミング

引越し作業をするときは、住宅街にトラックが乗り入れ、荷物で道を塞いだり騒音を立てたりと、どうしてもご近所に迷惑をかけます。そのため、引越しの挨拶は基本的に前日または当日に済ませるべきです。忙しくて当日に間に合わない場合も、ある程度引越し作業が落ち着いたら翌日には手土産を持って挨拶に伺うようにしましょう。

引越しの前後の行動は、その人の第一印象を左右します。挨拶もなしに当然のように引越し作業を進めると、場合によっては印象が悪くなり、その後のご近所トラブルに繋がるかもしれません。余計な問題を起こさないためにも、引越しの際には早め早めの挨拶を心がけましょう。

時間帯

引越しの挨拶ではタイミングだけでなく時間帯にも注意しなければなりません。挨拶回りのお礼に相手のお宅を訪れる際も同様です。

引越しの挨拶やお礼をする際は、正午から夕方頃に訪問します。早朝や夜間、食事どきなどの忙しい時間帯に訪問すると、気をつかえない人だという悪い印象がついてしまうので、避けるようにしましょう。

お返しをしたほうが良い場合

引越しの挨拶に対して、基本的にお返しは不要だと書きましたが、お返しをしたほうが良い場合も存在します。例えば、自分も建てられて間もない新築に入居したという場合や、お互いに年の近い子供がいるという場合です。必ずしもお返しをしなければならないというわけではありませんが、しておいて損はないでしょう。例を挙げて、理由とともに説明していきます。

新築に入居した場合

まずは、自分も少し前に新築に入居したという場合です。「お返し」というよりも、同等の立場として挨拶に伺うようにしましょう。特に、家や部屋を購入した場合など、ご近所の方と長いお付き合いになることが予想される場合には、挨拶をしておいたほうが良いでしょう。挨拶に来てもらったあと、少し時間をおいてからに出向くようにしましょう。

年の近い子供がお互いにいる場合

また、年の近い子供がお互いにいる場合にも、お返しをしたほうが良いかもしれません。今後、子供を介して、または親同士の情報の共有などで関わっていく可能性が高いためです。年の近い子供を持つ親が近所にいるのは、とても心強いため、適度な距離を保って良いお付き合いができるように心がけましょう。

お礼の品を渡したい場合

上記以外の場合、引越し挨拶へのお礼の品は必要ありませんが、どうしてもお礼として何か渡したいという場合には、相手の負担にならないような数百円の日用品やお菓子などを選ぶようにしましょう。ただし、挨拶品へのお返しはしないことが一般的なので相手の負担にならないように配慮をするのが大切です。

お礼の品を渡す際の注意点

お礼の品を渡す際の注意点は、相手に「気持ちを返したかっただけで、もうお返しは不要」という気持ちを伝えることです。このことを伝えておけば、挨拶品へのお返しループを避けることができます。

また、引越しの挨拶品に対してお礼を返さずにはいられないような律儀な方は、早く引っ越してきた方と仲良くなりたいという気持ちが強いかもしれません。しかし、あまりにも急いで仲良くなろうとするのは禁物です。程良い距離を保ってご近所付き合いを続けるために、初めのうちは詳しい家庭事情などは話さないほうが良いでしょう。あまり触れてほしくないという方もいるかもしれません。デリケートな内容は避け、慎重に接するようにしましょう。

まとめ

引越しの挨拶においては、相手に失礼のないように守るべきマナーがたくさんあります。引越し挨拶は、引っ越してきた人にとってもそれを受け入れる側にとっても、気持ちの良いご近所付き合いを始めるための第一歩です。基本的なマナーを心得たうえで、相手を気遣う行動を心がけましょう。