目次

- 引越しでエアコンを取り外すには、引越し業者か専門業者に依頼する必要があります
- 引越しでエアコンを取り外す費用は引越し業者のほうが専門業者より割高な場合が多いようです
- 引越しでエアコンを取り外ししてもらうと、追加料金や故障のリスクが発生します
- 引越しのときにエアコンを取り外さない場合は、捨てる以外にも譲ったり売ったりできます
引越しでエアコンを新居に持っていく場合、取り外しを自分で行う人はそうそういないでしょう。エアコンの取り外しと設置には技術も知識も必要であり、個人で簡単にできるものではありません。
持っていかない場合も、どのように撤去するのか、費用はいくらかかるのかなどをシミュレーションしておく必要があります。
本記事では、引越しにおけるエアコン移設の依頼先と費用相場、引越しによって起こりうるトラブルなどを解説します。エアコンの移動をどうするか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
引越しでエアコンを移設する際の依頼先

エアコンを新居に移設する場合、依頼先は大きく分けて2つあります。
- 引越しに合わせて引越し業者に依頼する
- 専門業者に依頼する
業者に依頼する以上、料金が発生してしまうという共通のデメリットがあります。しかし、「自力でエアコンを取り外し・取り付けする」で後述しますが、個人でのエアコンの脱着はあまりおすすめできません。
思わぬ事故やトラブルに巻き込まれないためにも、上記のどちらかの方法でエアコンを移設してください。
引越しに合わせて引越し業者に依頼する
引越しに合わせて引越し業者に依頼する場合は、見積もりの際にエアコンを新居に持っていくことを引越し業者に伝えると見積書に工事費を合算してくれます。
多くの引越し会社はオプションとしてエアコンの脱着を用意しているため、希望する場合はオプション料金が発生することを覚えておきましょう。
引越しに合わせて引越し業者に依頼するメリット
引越しと同時にエアコンの取り外しを依頼すると、引越し準備と並行してエアコン移設の依頼が完了するため、専門業者を探して別途申込む手間が省けます。作業自体も引越しと同日に行える場合もあります。手間と時間をかけたくないのであれば、引越し業者に一任してしまうと良いでしょう。
また、引越し業者に依頼することで、引越し当日より新居でエアコンが使えるようになります。設置工事も一任できるため、夏の暑い時期に重宝するクーラーを、引越し後すぐに使える点もメリットです。引越しとセットでエアコンの移設も終わらせてしまいたい人におすすめの方法です。
但し、時期や状況によっては引越し日とは別の日の作業になる可能性もある為、事前に同日での作業が可能かは確認をしておきましょう。
引越しに合わせて引越し業者に依頼するデメリット
一方で、引越し業者にエアコンの移設を依頼すると、別途オプション料金が発生するデメリットがあります。引越し業者はエアコン脱着オプションを持っていることは多いものの、そのほとんどは委託先の専門業者が工事を行うシステムです。
つまり、エアコン脱着費用のなかには引越し業者が専門業者に支払う金額とは別に、仲介手数料も含まれていると考えられます。そのため、専門業者に直接依頼するよりも料金が高くなってしまう傾向にあることを留意しておきましょう。
そのほか、繁忙期にはエアコン脱着のオプションが追加できない、引越し業者との連携がとれておらずにさらなる追加料金が発生するなどのトラブルに見舞われる可能性もあります。ある程度のリスクを理解したうえで、引越し業者に依頼するか専門業者を探すか、どちらかの選択をしましょう。
専門業者に依頼する場合
引越し業者以外の選択肢に、エアコンの付け替えを専門にしている業者に依頼する方法があります。引越し業者とは別で、専門業者を探して依頼します。引越し業者とは完全に別契約となるため、代金の支払いやお申込みなどを忘れないようにしましょう。
専門業者に依頼するメリット
専門業者はエアコン付け替えのプロです。引越し業者を挟んで見積もりをもらうよりも、正確な料金の算出ができる場合が多いでしょう。また、エアコンの運搬作業は別になっている専門業者もあり、そのぶん引越し業者よりも安い料金でエアコンの脱着ができます。
エアコンはメーカーや大きさによって外し方、取り付け方が異なる家電製品ですので、専門業者に直接依頼することで安心感があるという方もいるかもしれません。但し、運搬を含むのか含まないのか、といった点を含め見積もりで提示された料金だけではなく、作業の範囲も確認しておくようにしましょう。
専門業者に依頼するデメリット
他方、専門業者にもデメリットが存在します。その最たるものが運搬に関するものです。エアコン脱着は専門にしていても、引越し先までの輸送はオプションや別業者へ委託しているケースも珍しくありません。
もし輸送が別業者であった場合、脱着業者・引越し業者・輸送業者の三者の都合をつける必要があります。
また、都道府県をまたぐ引越しの場合、引越し先がエリア非対応として脱着や輸送を断られてしまうこともあります。この場合は取り外しと取り付け、輸送をそれぞれ別業者に依頼しなければなりません。
かなり複雑な契約になってしまうため、スマートに引越し関連の契約をまとめたいのであれば、専門業者への依頼は控えたほうが良いでしょう。
エアコン移設の費用相場

引越しにともなうエアコンの移設作業の費用相場は以下のとおりです。
取り外し | 取り付け | 運搬 | |
---|---|---|---|
引越し業者 | 約15,000~25,000円 | ||
専門業者 | 約5,500~11,000円 | 約12,000円 | 基本的には対応していない |
取り外し、取り付けを併せて依頼する場合 | |||
約9,000円~23,000円 |
引越し業者に依頼する場合の費用
ほんのわずかですが、専門業者よりも引越し業者のほうが高くなっています。先述のとおり、引越し業者が直接エアコン脱着を行うわけではなく、委託先の専門業者の仲介を行うことで発生する仲介手数料が含まれているのが主な原因です。
また、取り外しの専門業者が基本的に運搬非対応である分が上乗せされていると考えることもできるでしょう。
専門業者に依頼する場合の費用
専門業者の場合、取り外しと取り付けがそれぞれ別料金になっている場合があります。都道府県をまたぐ関係で別業者に依頼しなければならないこともありますが、おおむね引越し業者よりも安い価格で工事が可能です。
運搬まで一緒に行ってほしい場合は、別で運搬してもらう業者を依頼するなどの対応が必要になります。
エアコンを移設する際に起こり得るトラブル

エアコンを移設する際によくあるトラブルとして、次の2点があります。
- 追加料金が発生する
- エアコンが故障する
主に料金と工事の品質によって発生する可能性があるトラブルです。どちらも契約前に対処が可能であるため、詳細を把握してトラブル回避につなげましょう。
追加料金が発生する
引越し業者・専門業者どちらにも共通するのが、作業状況によって当日費用が上乗せされてしまう可能性がある点です。たとえば通常の方法で脱着工事が不可能であったり、装着時の電圧変換(200V電源のコンセント増設)などが必要なことが発覚したりすると、追加料金の発生が避けられなくなります。
結果的に見積もりよりも請求額が高額になってしまうため、トラブルに発展しやすくなります。悪質な場合は、見積もり時にわざと格安の金額を算出して契約を結び、作業後にいろいろと理由をつけて高額な請求をする手法を取ってくる業者も見受けられます。
事前に追加料金がいくらになるのかを聞いておくこと、本当に追加工事費が必要ないのかどうかを入念に確認することが対処法です。
オプションの相場ですが、代表的な追加オプションと費用は次のとおりです。あくまでも参考程度ですが、オプション料金で高額請求をしてくるパターンもあるため、頭の片隅に入れておくことをおすすめします。
エアコン移設にともなって発生しがちな追加オプションの費用相場
作業項目 | 費用相場 |
---|---|
電圧変換工事 | 約5,500円 |
コンセント交換 | 約3,700円~ |
配管パイプ(1m) | 約2,300円 |
冷媒ガス充填 | 約15,200円~ |
エアコンが故障する
エアコンは非常に繊細な家電製品であり、いかにプロが工事を行っても故障してしまう可能性がゼロではない製品です。雑な扱いをされて故障してしまうのは当たり前ですが、丁寧に作業しているように見えても故障につながってしまったケースは少なくありません。トラブルもさまざまで、一概にどうすれば故障しないのかという対策がしにくいのも特徴です。
依頼する前にできる対策として、依頼する専門業者の実績と保証を確認しておくことが挙げられます。工事の施工回数が多い、あるいは保証が整っている業者を選定するようにしましょう。
この方法は引越し業者では応用しにくく、万が一故障してしまっても責任の所在が不明確なままになってしまうこともあります。専門業者に直接依頼したほうが安心感はあるため、故障のリスクを最小限におさえたいのであれば専門業者への依頼がおすすめです。
引越し時のエアコンの取り扱い方法と費用

旧居から新居へエアコンを持っていく予定がないなど、そもそも取り外しを想定していない人もいるでしょう。また、費用を節約するために、業者に頼まず自分で取り外ししようと考える人もいます。それらの場合、エアコンの取り扱いや費用がどうなるのでしょうか。以下の3パターンについて詳しく解説します。
- 古いエアコンを処分して買い替える
- 旧居に置いていく
- 自力でエアコンを取り外し・取り付けする
古いエアコンを処分して買い替える
旧居にあるエアコンが古いなどの理由で、新居にはもっていかない場合は新しいエアコンに買い替えることになります。必要な費用は旧居のエアコン処分費と新居のエアコン購入費、およびそれらに付随する脱着工事費です。
対応畳数やグレード、年式にもよりますが、「新しいエアコン」と聞くと高額なイメージが先行し、買い替えに踏み切れない人もいるでしょう。しかし、旧居のエアコンの状態などによっては、古いエアコンを使い続けるよりもお得になることもあります。
エアコンを買い替えた方がお得な場合
エアコンを買い替えた方がお得なケースは、主に次のような場合があります。
- 長年使用しているエアコンの場合
- エアコンを設置する部屋の広さが変わる場合
- 旧居または新居の設置環境が特別な場合
「長年」の基準としては10年を想定しておくと良いでしょう。一般的にエアコンの寿命は10年程度とされています。個体差はあるものの、10年以上同じエアコンを使い続けると部品の消耗が原因で故障する可能性も出てきます。
また、性能は日々刻々と進化しており、省エネ性能がついているものも増えてきました。古いエアコンを使い続けるよりも新しいエアコンに買い替えたほうが、必要な電気代などを大幅に削減できる可能性が高くなるのです。
また、新居で想定しているエアコンの設置場所の畳数が対応していない場合も買い替えたほうが良いかもしれません。エアコンごとに対応できる畳数が決まっており、それを上回ってしまうと運転効率が悪くなり、エアコンの効きが悪くなることもあります。
そもそもエアコンが設置できない可能性もあるため、エアコン本体の状態や対応畳数、旧居と新居の条件の違いから考えると良いでしょう。決して安い買い物・維持費ではないため、じっくり検討することをおすすめします。
旧居に置いていく
古いエアコンを残置物として旧居に置いていくことも、場合によっては可能です。残置物とは、賃貸物件において借主が物件内に残していったもののことを言います。入居当初から設置されていたものに関しては設備扱いになりますが、借主が購入して設置した後付けのエアコンは残置物に相当します。
「次の入居者が使うかもしれない」という親切心で置いていく人もいるでしょう。しかし、残置物としてエアコンを旧居に置いていく場合は、大家さんや管理会社からの事前の許可が必要です。借主には原状回復の義務が原則として設けられており、無断でものを残したまま退去することはできません。
貸主の許可があったり、不用品を置いて行っても問題ないと言われたりすれば話は別です。しかし、勝手に置いていった結果、貸主は処分するのか譲られたのかがわからないままになってしまうため、却って迷惑になるケースもあります。
旧居に置いていくつもりなのであれば、事前に大家さんや管理会社に連絡を入れて許可を取っておきましょう。旧居に置いていけるとなった場合、エアコンの取り外しや輸送費はかかりません。
自力でエアコンを取り外し・取り付けする
まれに、自力でエアコンの取り外し・取り付けを行う人がいます。専門知識がある、もともとエアコンの脱着の仕事をしていた、などといった場合は別かもしれませんが、素人が自力で取り外しを行うのは現実的ではありません。
エアコンは物件ごとに配管の位置が異なるほか、エアコン本体や室外機そのものの外し方も機種によって異なる特殊な家電製品です。
たかが脱着とあまく見て無理に動かそうとすると、配管接続のトラブルや冷媒ガスが漏れるなどして故障の原因になりかねません。また、エアコンも室外機も重量があるため、素人が運ぶのは危険です。
多少の費用はかかりますが、引越し業者や専門業者に依頼したほうが、リスクは少なくて済みます。自分で脱着を試みた結果、新居へ運んだ後に壊れてしまっていたのでは意味がありません。新居に持っていくつもりなのであれば、プロに任せた方が安心です。業者に依頼する費用は、自分が負う恐れのあったリスクをお金で回避したと考えましょう。
エアコンの処分方法

新居にはもっていかず、引越しに際してエアコンを処分する場合、以下の3つの方法があります。
【エアコンの処分方法】
- 新しいエアコンを購入する店に引き取りを依頼する
- 買取業者に依頼する
- 家電リサイクル受付センターへ処分を依頼する
- 友人や親戚に譲渡する
新居用のエアコン購入と同時に古いエアコンを引き取ってもらうこともできますし、買取業者に依頼してお金に換えることもできます。家電量販店に引き取り依頼する場合は、取り外しの料金やリサイクル料金、運搬料が発生するため、事前に依頼先に確認をとっておくと良いでしょう。
お金に換えられる可能性が高い買取業者でも、年式が古かったりすると引き取り料を請求される可能性もあるため、注意が必要です。
自治体、または家電リサイクル受付センターのサイトで処分の依頼ができます。
東京23区内の場合は「家電リサイクル受付センター」に問合せた上で、指定引取場所へ自分で持ち込むか家電リサイクル受付センターに回収の申込みをします。
費用はリサイクル料金と収集運搬料金がかかりますが、持込みの場合は、収集運搬料金は不要です。ただし家電リサイクルに対応しているのは、エアコン本体と室外機とリモコンだけという事です。
エアコン本体・室外機を外すと様々な資材がありますが、ドレンパイプ、配管パイプ、配管カバー(スリムダクト等)などの工事部材、室外機の置き台及び屋根などは家電リサイクルの対象になりません。これらは別途資材ごとに分類して、不燃ごみや粗大ごみとして出す必要があるので注意しましょう。
また、友人や親戚に譲渡するという手段もあります。この場合は、別途専門業者に依頼して脱着と運搬をしなければなりません。譲渡先とのスケジュール調整は必要ですが、処分費用がまったくかからない点は非常に魅力的です。
購入すると高額な家電製品なだけに、もらってくれそうな友人や親戚がいれば譲渡も検討しましょう。
エアコンの処分費用
エアコンは家電リサイクル法と呼ばれる法律で規定されている家電製品であり、粗大ごみとして捨てることができません。冷媒ガスに含まれる成分が環境破壊の原因になると言われており、一般的な家電製品とは異なった方法で処分しなければならないのです。その際に必要になるのが「家電リサイクル券」です。
ただし、処分方法によっては家電リサイクル券が不要な場合もあります。先に挙げた処分方法の、具体的な処分費用は次のとおりです。
家電リサイクル券 | 処分費用 | そのほか費用など | |
---|---|---|---|
新しいエアコンを購入する店に引き取りを依頼する | 必要 | 1,100~1,650円 |
|
買取業者に依頼する | 不要 | 不要 |
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家電リサイクル受付センターへ依頼する | 必要 | 900~1,000円 |
|
友人や親戚に譲渡する | 不要 | 不要 |
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まとめ
引越しにおいてエアコンの取り外し・移送は、買い替えを含めて検討が必要な事由です。処分するにしても移設するにしても、エアコンの脱着は引越し業者や専門業者に依頼し、なるべくリスクが発生しないようにしましょう。
エアコンそのものの性能や年式と新居の条件によっても左右されるため、早急に判断する必要はありません。2点を整理し、移設するのか買い替えるのかを判断してください。電話なしで、かつ引越し業者とのやり取りを極力少なくしたい方には当サイトが提供する定額引越しサービスの「単身引越しナビ」がおすすめです。
荷物の制限は2トンのショートトラックに載せられるだけなので料金体系も非常にわかりやすく、見積もりの時間が削減できるようになっています。 大型の家具・家電があっても、既定のサイズに収まるのであれば料金は変わりません。
信頼できる数多くの提携事業者がいるから希望日でのお引越しが可能です。 また電話対応は単身引越しナビかマッチングした引越し業者だけなので安心して利用できます。しつこい営業電話も、訪問見積もりもないので、じっくりと引越し準備を進められるでしょう。
エアコンの取り外し・取り付けもオプションで選択可能です。別途見積もりが必要にはなりますが、追加見積もりの依頼もリクエスト予約後にお申込みできます。時間のない人、できるだけ手間を少なくして引越ししたい人は、ぜひ利用してみてください。