目次
- 3月の引越し料金相場は単身者で約50,600円~約62,500円です
- 3月は引越しの繁忙期にあたり1年で最も料金が高くなる時期です
- 引越し料金が高い反面物件の選択肢が多いというメリットもあります
3月は、1年のなかでも引越しの予約が取りづらく、料金も高くなりやすい月です。引越し料金を少しでもおさえるために、あらかじめ料金相場を把握しておくと見積もりの際に交渉しやすくなるでしょう。そこでこの記事では、3月の引越しにおける料金相場やメリット・デメリット、および物件探しや入園・入学関連の気になるポイントについて解説します。
3月の引越しは繁忙期で高い?
日本の多くの学校や企業にとって年度末にあたる3月は、卒業・入学・就職などの引越しを伴うイベントが多く発生する時期です。学生から社会人まで幅広い層が引越しを検討するため、引越し業者の需要が上がり料金も高騰します。
また、3月の引越しは料金が高くなるだけでなく、引越し業者の予約も取りづらくなります。引越しを依頼する業者や日時の選択肢が狭まるため、計画していたスケジュールどおりに引越しが進まない場合もあります。
なお、国土交通省では、引越しのタイミングを分散させるため、3月のような混雑時期の引越しを可能な限り避けるように要請しています。しかし、個々の事情でどうしても3月に引っ越す必要がある場合は、予約の取りづらさなどを考慮して、数ヶ月前から見積もりをとるなど早めに準備を進めることが肝要です。
引越しの時期についてはこちらの記事をご覧ください。
3月の引越し料金相場
まずは、1年間の引越し料金相場の移り変わりをみてみましょう。
単身者 | 二人世帯 | 3人家族 | 4人家族 | 5人家族 | |
1月 | 約30,900円~約34,600円 | 約60,400円~約60,200円 | 約73,000円~約78,700円 | 約75,800円~約104,800円 | 約85,100円~約144,300円 |
2月 | 約35,600円~約37,900円 | 約69,600円~約79,400円 | 約77,600円~約95,000円 | 約83,000円~約114,200円 | 約99,100円~約140,500円 |
3月 | 約50,600円~約62,500円 | 約96,000円~約108,100円 | 約121,100円~約141,400円 | 約125,700円~約160,200円 | 約134,800円~約225,500円 |
4月 | 約39,000円~約45,200円 | 約77,500円~約90,300円 | 約91,700円~約120,700円 | 約109,300円~約122,700円 | 約159,700円~約169,100円 |
5月 | 約32,000円~約37,300円 | 約60,800円~約77,000円 | 約75,400円~約92,900円 | 約77,900円~約109,300円 | 約104,000円~約172,800円 |
6月 | 約32,800円~約35,800円 | 約58,700円~約75,000円 | 約72,700円~約140,700円 | 約75,500円~約141,100円 | 約91,200円~約184,000円 |
7月 | 約33,000円~約36,100円 | 約61,500円~約65,600円 | 約77,100円~約79,100円 | 約81,300円~約116,600円 | 約99,900円~約162,000円 |
8月 | 約31,200円~約35,000円 | 約64,100円~約71,700円 | 約74,600円~約84,100円 | 約77,000円~約89,600円 | 約89,400円~約138,900円 |
9月 | 約31,900円~約38,200円 | 約62,200円~約70,700円 | 約68,400円~約89,900円 | 約80,600円~約107,400円 | 約111,800円~約147,700円 |
10月 | 約31,400円~約36,300円 | 約60,400円~約78,700円 | 約70,100円~約102,000円 | 約77,200円~約108,600円 | 約94,400円~約177,900円 |
11月 | 約33,400円~約36,000円 | 約57,600円~約72,900円 | 約74,600円~約107,30円 | 約82,000円~約112,800円 | 約106,400円~約149,400円 |
12月 | 約31,700円~約36,100円 | 約62,700円~約73,800円 | 約71,200円~約91,600円 | 約74,100円~約104,000円 | 約95,600円~約143,300円 |
※上記は15km未満~50km未満の引越し料金相場
どの世帯構成においても3月に最も引越し料金が高くなることがわかります。そのため、引越し料金をおさえたい場合は、できるだけ引越し日を3月以外に設定することがおすすめです。
また、引越し料金は引っ越す時期だけでなく、荷物の量でも変化します。荷物が多いと大きなトラックや多くの作業員が必要になるため、引越し作業に必要なコストが増加します。これらも考慮し、引越し月の比較検討をしましょう。
単身者・一人暮らしの3月引越し料金相場
ここからは、3月の引越し料金相場について、世帯構成ごとに詳しく見ていきます。まずは、3月に引っ越す場合の料金相場について、単身者・一人暮らしのケースをご紹介します。
上旬
~15km未満 (同一市区町村内) | 約39,100円 |
~50km未満 (同一都道府県内) | 約50,500円 |
~200km未満 (同一地方内) | 約59,400円 |
~500km未満 (近隣エリア) | 約88,800円 |
500km以上 (長距離エリア) | 約103,600円 |
中旬
~15km未満 (同一市区町村内) | 約49,800円 |
~50km未満 (同一都道府県内) | 約59,800円 |
~200km未満 (同一地市内) | 約76,300円 |
~500km未満 (近隣エリア) | 約103,200円 |
500km以上 (長距離エリア) | 約129,200円 |
下旬
~15km未満 (同一市区町村内) | 約60,800円 |
~50km未満 (同一都道府県内) | 約77,100円 |
~200km未満 (同一地市内) | 約118,300円 |
~500km未満 (近隣エリア) | 約167,300円 |
500km以上 (長距離エリア) | 約185,700円 |
引越し料金を決める主な要素として、時期・荷物量に加えて引越し距離も挙げられます。遠くまで引っ越す場合、輸送に必要なガソリン代や高速道路料金が増えるため、引越し料金も高くなります。引越しにかかる費用を概算するときは、引越し時に予想される荷物の総量や引越し先までの距離も考慮しましょう。
二人暮らし世帯の3月引越し料金相場
次に、二人暮らし世帯の相場をみてみましょう。
上旬
~15km未満 (同一市区町村内) | 約78,600円 |
~50km未満 (同一都道府県内) | 約83,900円 |
~200km未満 (同一地方内) | 約142,700円 |
~500km未満 (近隣エリア) | 約203,100円 |
500km以上 (長距離エリア) | 約214,400円 |
中旬
~15km未満 (同一市区町村内) | 約94,300円 |
~50km未満 (同一都道府県内) | 約114,500円 |
~200km未満 (同一地方内) | 約143,800円 |
~500km未満 (近隣エリア) | 約177,700円 |
500km以上 (長距離エリア) | 約303,400円 |
下旬
~15km未満 (同一市区町村内) | 約115,300円 |
~50km未満 (同一都道府県内) | 約126,000円 |
~200km未満 (同一地方内) | 約205,400円 |
~500km未満 (近畿エリア) | 約289,500円 |
500km以上 (長距離エリア) | 約349,600円 |
同棲・結婚などにより新しく二人暮らしを始める場合、お互いの旧居から荷物を運ぶ必要があります。引越しの荷物は少ない方が引越し料金をおさえられるため、どちらかの家具・家電を新居で使用する場合、不要な方は引越し前に処分をしましょう。事前に話し合いを行い、持ち寄る物や新しく買う物、また処分する物についてお互いに整理をして、引越しに無駄な費用がかからないように気をつけましょう。
家族・ファミリーの3月引越し料金相場
最後に、家族・ファミリーの引越し相場をご紹介します。
家族での引越しについてはこちらの記事をご覧ください。
上旬
3人家族 | 4人家族 | 5人家族以上 | |
~15km未満 (同一都道府県内) | 約103,100円 | 約107,600円 | 約102,600円 |
~50km未満 (同一都道府県内) | 約113,500円 | 約143,200円 | 約275,100円 |
~200km未満 (同一地方内) | 約193,300円 | 約153,800円 | 約211,800円 |
~500km未満 (近隣エリア) | 約274,700円 | 約294,700円 | 約404,100円 |
500km以上 (長距離エリア) | 約282,800円 | 約300,600円 | 約416,400円 |
中旬
3人家族 | 4人家族 | 5人家族以上 | |
~15km未満 (同一都道府県内) | 約104,100円 | 約106,600円 | 約147,800円 |
~50km未満 (同一都道府県内) | 約144,500円 | 約143,200円 | 約197,600円 |
~200km未満 (同一地方内) | 約143,200円 | 約198,700円 | 約273,700円 |
~500km未満 (近隣エリア) | 約271,700円 | 約290,700円 | 約402,100円 |
500km以上 (長距離エリア) | 約413,100円 | 約366,000円 | 約507,100円 |
下旬
3人家族 | 4人家族 | 5人家族以上 | |
~15km未満 (同一都道府県内) | 約156,200円 | 約163,000円 | 約153,900円 |
~50km未満 (同一都道府県内) | 約166,100円 | 約194,300円 | 約203,700円 |
~200km未満 (同一地方内) | 約214,800円 | 約276,200円 | 約381,100円 |
~500km未満 (近隣エリア) | 約301,900円 | 約294,700円 | 約589,000円 |
500km以上 (長距離エリア) | 約424,200円 | 約451,000円 | 約373,000円 |
家族世帯は、単身や二人暮らしに比べて荷物量が多く、家具・家電などについても大型の場合が多いため、その分引越し料金も割高になる傾向があります。
3月と4月の引越しの比較
年度の境目にあたる3月と4月は、どちらも引越し料金が高くなります。具体的には、3月は月末に近づくほど料金が割高になり、4月は月初めが高い傾向にあり、この3月下旬〜4月上旬は引越しの繁忙期とされています。多くの企業や学校では3月31日が年度末となっており、3月下旬から新年度にそなえて引っ越す人が多くいるためです。新年度が始まってしばらく経った4月中旬頃には、引越し需要が落ち着きます。
3月の引越し料金を安く抑えるためのコツ
引越し料金が高騰する時期とはわかっていても、どうしても3月に引越さなければならない事情がある方もいるでしょう。引越しが混み合う時期でも、工夫次第で引越し料金は安くなります。ここでは、できるだけ費用をおさえるコツを紹介します。
一括見積もりサービスを利用する
一括見積もりサービスは、同じ条件で一度に複数の引越し業者への相見積もりが取れるサービスです。サービスに加盟している引越し業者のなかから、一番安く引越せる事業者が見つかります。電話で一社ずつ問い合わせるのは手間がかかり、全部の事業者に同じ条件を伝えられたかどうかは確信が持てないものです。その点、一括見積もりサービスなら一度必要事項を入力すれば複数社へ見積もりを依頼できます。だいたいの相場もわかるため、納得して依頼できる引越し業者を見つけやすいことがメリットです。
引越し業者の予約はできるだけ早く行う
3月の繁忙期に引越さなければならないときは、できるだけ早く事業者の予約を取ることをおすすめします。転勤に伴う引越しの場合でも、引越し料金の全額が会社負担ではないケースもあるようです。その場合は、自己負担額を少しでもおさえられるよう、転勤の内示が出たらすぐに行動に移さなければなりません。転勤でなく自己都合で3月に引越しする場合は、2〜3ヶ月前には予約を確保したいところです。引越し日が近いほど予約が取りづらくなり、引越し料金が高くなる可能性があります。
3月の上旬に引越しをする
3月上旬に引越し時期をずらせる場合は、時期を繰り上げたほうが何かとメリットが多くなります。3月中旬以降は引越しのピークを迎えるため、国土交通省からも引越し時期の分散を呼び掛けているほどです。ピークの時期に比べれば3月上旬は比較的空きがあるため、引越し料金が高騰するピーク時期よりも安く引越しができます。メリットは金額面だけではありません。繁忙期前のほうが予約を取りやすく、引越しの時間帯を選びやすいというメリットもあります。
引越し料金が高い日を避ける
全国的に小中学校の修了式が終わってから、新学期が始まるまでの春休み期間中に、ファミリー世帯の引越し需要が増えます。繁忙期のなかでも特に引越しが集中するのが、小中学校が春休みに入ったあとの土日です。例年の傾向では、3月下旬の土日は一番引越しが混み合います。お日柄が良ければ、引越し料金も一年の中で最高値になります。ただし昨今は、年度末の有給消化や引越し休暇を認める企業も増えているため、土日だけでなく平日も引越しがしやすい環境にあります。そのため、3月下旬は曜日に関係なく引越し料金が高騰する傾向になっています。
時間帯を選ばない
引越しは、時間の計画が立てやすく明るいうちに作業ができる朝一番からの時間帯を希望する人が大半です。午前中からの引越しは予約が集中するため、人気のある時間帯はどうしても引越し料金が高くなってしまいます。
また3月の繁忙期の引越しとなると、人気が高い午前中の引越しはさらに引越し料金が高くなる可能性があります。
そこで引越し料金を少しでも抑えるためには、午後や夜、または時間帯を指定しないフリー便を利用すると安くなるでしょう。
ただし午前中以外の引越しの場合、引越しの作業が遅くなる点は注意しましょう。またフリー便の場合はいつ引越し作業が始まるか分からないというデメリットもあるため、引越し当日に終日対応ができる人は利用してみるのも良いかもしれません。
引越しを安く抑える方法はこちらの記事もチェック
3月に引越しをするメリット
3月の引越しは料金の高さが気になるポイントです。しかし、3月に引っ越すメリットもいくつかあります。以下で詳しくみていきましょう。
物件が見つかりやすい
入居希望者が多いということは、退去する人も多いことを指します。また、中古物件だけでなく新築の物件も3月に多く募集されることから3月は物件の選択肢が豊富です。ただし、競争率も高いため、希望の物件がすぐになくなることもあります。早めの行動を心がけましょう。
快適な気温の時期に引っ越せる
3月は春を迎えて暖かくなる時期です。外で動き回ったり、ドアを開け放したまま作業をにする引越しには最適の時期と言えます。夏の暑い時期や冬の寒い時期では、力仕事が必要とされる引越し作業がより大変に感じられるでしょう。
しかし、3月は地域によっては、まだ雪深い時期の可能性もあります。旧居や新居のあるエリアの気候を踏まえて、できるだけ快適に引越し作業を進められるよう、あらかじめ準備しておきましょう。
3月に引越しをするデメリット
3月の引越しは、引越し料金が高いこと以外にもデメリットがあります。3月の引越しを検討する場合、費用以外のデメリットについても予め把握しておきましょう。
混雑するため予約が取りにくい
3月は引越し業者に依頼が殺到するため、予約が取りづらくなります。およそ1ヶ月前には予約をしないと希望日に引越しを実現できない可能性が高く、早めの準備が肝心です。
また、業者への依頼が集中することで、訪問見積もりのタイミングを業者とすり合わせるのも難しくなります。見積もりが遅れると、その分、引越しのスケジュールが後ろ倒しになる可能性もあるため、できるだけ早めに準備を始めましょう。
3月から物件探しを始めても入学・入社に間に合う?
引越し需要が増加する3月は、空き物件が見つかったとしてもすぐに埋まりがちです。特に、好立地で家賃も適正な優良物件であれば、早期に入居者が決まるでしょう。「午前中に内見した物件が、夕方にはほかの希望者に契約されていた」というケースも珍しくありません。
しかし、賃貸物件自体は需要よりも多いのが現状です。そのため、場合によっては、3月から物件探しを行っても、入学・入社までに間に合わせることも可能です。早めの行動を心がけるべきですが、開始時期が遅くなっても悲観する必要はありません。
3月の引越しで必要な小中学校の入学の手続きは?
一般的に、学校の転入手続きは「入学通知基準日より前に住民票を異動していない」「学区が変わった」場合に必要です。小中学校への入学を控えた子どもの家庭には、前年度中に入学通知が送られます。入学通知が送られる時期は市区町村ごとに異なりますが、通知の基準日より前に住民票の異動手続きをしていれば、新住所で入学通知を受け取ることができます。ただし、住民票の異動手続きを行っていなかったり、学区が変わっていたりする場合は手続きが必要です。
なお、各自治体によって手続きの内容や必要なものは異なります。必ず事前に確認することをおすすめします。
学校の転校手続きについてはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
この記事は、3月の引越しにおける料金相場やメリット・デメリットを中心にご紹介しました。3月は多くの人が引越しを希望する月です。引越し業者や賃貸物件の競争率も上がるため、余裕をもって計画を立て、できるだけ早く行動に移しましょう。