目次
- 荷物が多い引越しは作業時間と手間がかかるうえに料金が高くなるデメリットがあります
- 荷物量の目安は一人暮らしの場合はダンボール15個程度です
- 引越しで荷物を減らす際は「必要なもの」「不要なもの」「保留するもの」の3区分で仕分けすることからはじめましょう
- 荷物を減らす場合は処分するだけでなくリサイクルショップに売ったり知人や友人に譲ったりといった方法もあります
- 荷物を減らす以外にも引越す時期を通常期にしたりフリー便を活用したりすれば引越し料金をおさえられます
「荷物が多くて引越す際に不安」
「どうにかして荷物を減らしたい」
知らず知らずのうちに物が増えており、引越しのときに困ったという話は珍しくありません。しかし、荷物が多いまま引越しをしてしまうと、その分料金が高くなるうえに新居でも不要なものに場所を取られるなどあまり良いことはないでしょう。
今回は、荷物が多い引越しの問題点を紹介。荷物が多い・少ないの目安や荷物を減らすメリット、具体的にどうすれば荷物を減らせるのかについても言及しているので、荷物が多い人はぜひ参考にしてみてください。
引越しで荷物が多い場合のデメリット
引越しで荷物が多い場合は、下記のようなデメリットが生じやすくなります。
【引越しで荷物が多い場合のデメリット】
- 作業に多くの手間と時間がかかる
- 引越し料金が高い
荷物が多くなればなるほど、搬出入時に旧居とトラック、新居とトラックを行き来する回数が増え、時間も長引きます。また、荷物が少ない場合よりも大きめのトラックと多めの作業員が必要となり、その分の料金も加算されるため、料金も高くなるというデメリットがあります。
作業に多くの手間と時間がかかる
荷物の多い引越しでは単純に荷造りや搬出・搬入にかかる時間が長くなるというデメリットがあります。また荷造り以前に、荷物の選別や不用品の処分などにも時間がかかることは容易に想像できるでしょう。
引越しを自力で行う場合は、移動距離や運搬する車の大きさ、人員の確保状況によっては、何度も旧居と新居を往復することになるので注意が必要です。場合によっては、1日で引越しが終わらない可能性がある点にも留意しておきましょう。
引越し料金が高い
荷物が多いと、運搬に使用する車両も大きいサイズにする必要があります。また作業時間や作業人員も多めに確保しなくてはいけないため、必然的に引越しにかかる料金が上がります。これは引越し業者に依頼した場合はもちろん、自力での引越しでも同じことが言えます。
また、100km以内の引越しで引越し業者に依頼する場合は、時間制で料金を請求されることもあります。その場合、作業時間が長引けば長引くほど、料金が高騰していくので注意が必要です。
荷物が多い・少ないの目安
「荷物が多い(少ない)」といっても感覚によるものなので、自分が当てはまるかどうかの判断がつきづらいでしょう。一般的に言われている、人数別・間取り別に必要なダンボールの数が下記になります。
■人数別に必要なダンボールの数
引っ越す人数 | 必要な個数 |
---|---|
単身 |
約10~15個 |
二人 |
約20~30個 |
三人 |
約30~50個 |
四人 |
約50~80個 |
■間取り別に必要なダンボールの数
間取り | 必要な個数 |
---|---|
ワンルーム |
約10個 |
1DK |
約20~40個 |
2DK |
約40~60個 |
3DK |
約50~80個 |
4LDK |
約80~120個 |
上記の人数・間取りに対して必要なダンボールの個数を判断基準に、自分の荷物の量を比較して「荷物が多い」のか「荷物が少ない」のかを把握してみましょう。引越しの場合は荷物が多いことにメリットはないので、目安に対して荷物が多い場合は、荷物を減らすための工夫が必要です。
荷物が多い場合の引越し料金の目安
引越しにかかる料金は、引っ越す時期や移動する距離、オプションサービスの有無などによって変動するため一概には言えませんが、荷物の量に焦点を当てた場合の料金目安は下記のようになります。
■通常期(5月~2月)
距離 | ダンボールの数 | |||
---|---|---|---|---|
~15個 | ~30個 | ~50個 | 50個以上 | |
~15km未満(同市区町村程度) | 約39,000円 | 約54,000円 | 約76,000円 | 約12,8000円 |
~50km未満(同都道府県程度) | 約44,000円 | 約57,000円 | 約90,000円 | 約105,000円 |
~200km未満(同一地方程度) | 約61,000円 | 約89,000円 | 約116,000円 | 約166,000円 |
~500km未満(近隣地方程度) | 約78,000円 | 約104,000円 | 約149,000円 | 約166,000円 |
500km以上(遠距離地方程度) | 約102,000円 | 約142,000円 | 約190,000円 | 約357,000円 |
■繁忙期(3月~4月)
距離 | ダンボールの数 | |||
---|---|---|---|---|
~15個 | ~30個 | ~50個 | 50個以上 | |
~15km未満(同市区町村程度) | 約56,000円 | 約76,000円 | 約105,000円 | 約150,000円 |
~50km未満(同都道府県程度) | 約64,000円 | 約75,000円 | 約131,000円 | 約64,000円 |
~200km未満(同一地方程度) | 約92,000円 | 約129,000円 | 約165,000円 | 約233,000円 |
~500km未満(近隣地方程度) | 約110,000円 | 約152,000円 | 約191,000円 | 約261,000円 |
500km以上(遠距離地方程度) | 約141,000円 | 約206,000円 | 約258,000円 | 約400,000円 |
たとえば通常期で移動距離が15km未満の場合、ダンボールが15個から1個増えて16個になるだけでも金額が1万円以上高くなります。人数によっては仕方ない場合もありますが、上記の表から引越しする際にはできるだけ荷物を減らした方が良いことがわかるでしょう。
引越しで荷物を減らすメリット
料金面以外にも下記のような理由から引越しではできるだけ荷物を減らした方が良いと言えます。
【引越しで荷物を減らすメリット】
- 荷造り・荷解きが楽になる
- 短時間で引越しを終えられる
- 不用品を売れば引越し料金の足しになる
荷物が多い場合と少ない場合では荷造りにかかる時間や手間も異なります。当然ですが、荷物が少なくなればなるほど労力もかかりません。これは荷解きにおいても同じことが言えます。荷物が多いデメリットでも触れていますが、荷物が多いと作業時間も長くなります。逆に、荷物が少ないと短時間で引越しを終えられるため、新居での荷解きも余裕を持って行えるでしょう。
引越し業者によっては荷造りから荷解きまで対応してくれるサービスを提供している場合もありますが、荷物が多すぎる場合は荷造り・荷解きがそれぞれ1日で終わらない可能性もあることを留意しておきましょう。引越し業者が作業を行う際は必ず立ち会いが必要になるため、仕事を休む、もしくはプライベートの予定を諦めなければいけないことも考えられます。
こうした事態を避けて引越しにかける時間をできるだけ少なくしたいのであれば、やはり荷物を最小限まで減らす努力をする必要があるでしょう。また、荷物の選別で出てきた不用品を売れば引越し料金の足しにできるという点も、荷物を減らすメリットと言えます。そのほか、引越しの荷物を減らすメリットについてはこちらの記事で解説しているので合わせてご確認ください。
引越しの荷物を減らす際のポイント
引越しの荷物を減らすといってもどうやって減らせば良いか分からない人もいるでしょう。そうした場合は、下記のポイントを考慮して荷物を減らす努力をしてみましょう。
- 手放すものの判断基準を明らかにする
- 思い出の品を写真で保管する
いつのまにか物が多くなっている人は、物を「捨てられない」傾向にあります。そうした場合は、一定の基準を設けて捨てるかどうかを判断してみましょう。そこに「もったいない」という感情は持ちこんではいけません。もし捨てるのがもったいなくて踏み切れない場合は、荷物を減らす方法で触れているように知人や友人に譲ったり寄付したりすると、罪悪感なく物を手放せるでしょう。
手放すものの判断基準を明らかにする
「あとで使うかもしれない」「もったいない」となかなか処分に踏み切れない人は、下記の基準に沿って荷物の選別をしてみましょう。
分類方法 | 基準 |
---|---|
必要なもの | 日常的に使用しているものや必要なもの。「いつか使うかもしれない」ものは含まない。 |
不要なもの | 半年~1年の間に1回も使用していないもの。使用頻度の低いもの。 |
保留のもの | 使用頻度は高くないけど、思い出の品や大切なもの。すぐに必要・不要の判断がつかないもの。 |
上記の分類が終わったら、保留のものを必要か不要かに分けていきます。ここでの判断基準は新居の広さや収納に入るかどうかです。「ダンボール1箱分」といった具合に、保留のものから必要なものを選別する際の上限を決めても良いでしょう。この場合、ダンボール1箱分の上限に達した時点で、残りは不要なもの、つまり処分するものとなります。
上記の分類方法を決めてもなお、処分する決心がつかない人は、家族や友人などの第三者に手伝ってもらうと良いでしょう。一歩離れた視点から要不要を判断してくれるので、一人で選別するよりも捗るでしょう。
思い出の品を写真で保管する
フィギュアやプラモデルなど、捨てづらいけど保管しておくには場所を取る思い出の品は、写真として保管するという方法もあります。データであれば、保管場所も必要ないうえに劣化しないというメリットも享受できます。写真として残す場合は、見返すときに後悔しないように、多方面から撮影しておくと良いでしょう。
また、年賀状や写真はスキャナーやスマホアプリでスキャンしてデータで保管するのもおすすめです。いつでも見返せるうえに保管場所の節約になります。
引越しの荷物を減らす方法
荷物の選別が終わり、不用品が決まったら、下記のような方法で処分していきましょう。
- 回収業者に依頼する
- リサイクルショップに持ち込む
- フリマアプリで売る
- 自治体の回収サービスを利用する
- 知人や友人に譲る
- 寄付する
それぞれにメリット、デメリットがあり、なかには処分できるまでに時間を要する方法もあります。そのため、引越しまでの期間や不用品の状態などを考慮しながら処分方法を決めてみましょう。
回収業者に依頼する
回収業者に依頼する最大のメリットは、「自宅まで取りに来てくれる」点でしょう。そのため、処分したい荷物の量が多い場合や、引越し当日までに時間がとれない場合におすすめの方法です。
ただし、後述する自治体の回収サービスと比較すると、費用は高めです。また、家具の種類やサイズによっては思いがけない出費となる場合もあるので、まずは見積もりを依頼するようにしましょう。
リサイクルショップに売る
たとえばブランド品の衣類やアクセサリー、バッグなどを処分する場合は、リサイクルショップに持ち込むのも一つの手。値がつけば、引越し資金の足しになるというメリットを享受できます。また、出張買取サービスを展開している場合は自宅まで査定に来てくれるので、リサイクルショップに出向く時間の節約になります。
ただし、状態によっては買い取ってもらえないこともある点には注意が必要です。店舗によっては買取不可品を無料で引き取ってくれる場合もあるので、必要なければそのまま引取を依頼しても良いでしょう。
フリマアプリで売る
どうせ処分するなら少しでも高く売りたい、という場合はフリマアプリを利用すると良いでしょう。リサイクルショップと違い、フリマアプリでは自由に価格設定が可能です。あまり高値に設定してしまうと売れ残る可能性が高くなりますが、出品時に売れやすい値段を教えてくれるアプリもあるので、参考にすると良いでしょう。
ただし、出品作業など少々面倒な手間が発生することは覚えておきましょう。また引越しまでに売れるかどうかも不確定です。もし引越しまでに売れなければ、結局荷物を減らせなかったということになりかねない点にも注意が必要です。
自治体の回収サービスを利用する
縦・横・高さのいずれかの寸法が大体30cmを超える大型の粗大ごみの場合は、自治体の回収サービスでも処分可能です。自治体に依頼するメリットとしては、回収料金の一部を税金でまかなうことから、回収業者に依頼するよりもリーズナブルに処分が可能な点です。
ただし、1品につき料金が発生するうえにそれぞれで申請が必要になるので、ごみの量が多いと少々手間がかかります。そのため、ごみの量が多い場合にはあまりおすすめできません。また、粗大ごみのサイズは自治体によって規定が異なるため、事前に確認しておきましょう。
知人や友人に譲る
まだ使用できるため処分するには惜しい物は、知人や友人のなかにほしい人がいないか聞いてみるのもありでしょう。知人や友人が引き取ってくれれば、処分する手間や費用も発生しないうえに、譲った相手からは喜ばれるので一石二鳥です。
まずは家族や友人、知人などの身近な人から「ほしい人がいないか」あたってみましょう。希望者がいない場合は、地元の掲示板やSNSなどで呼びかけてみるのもおすすめです。その際、個人情報の扱いには十分に注意しておきましょう。
寄付する
知人や友人に譲る以外に、まだ使用できる物は寄付するという方法で処分するのもおすすめです。自分にとっては不要な物でも寄付することによって、困っている人の手に渡ることでその人の生活を豊かにする手助けができます。
寄付する方法は、寄付を受け付けている団体によって異なります。専用回収キットの購入が必要な場合もあれば、運送会社と同じような手段で回収してくれる場合もあるので、各団体のWebサイトで方法を確認しておきましょう。
寄付の際は、団体選びも重要です。困っている人に寄付した物が届くように、経歴や活動実績などがホームページに明記されている団体を選ぶようにしましょう。
荷物の多い引越しの料金を少しでもおさえるコツ
荷物を減らしたいけど、荷物を選別する時間がないなどの事情により減らせない場合もあるでしょう。そうした場合は、下記のコツをおさえることで引越しにかかる料金を下げられる可能性があります。
- 通常期を選ぶ
- フリー便を活用する
- 複数の引越し業者に見積もりを依頼する
ポイントは引越しの需要が低い時期、日にち、時間帯を選ぶこと。引越しに限った話ではありませんが、需要が高い繁忙期は、自ずと料金も高騰します。その反対である通常期は繁忙期に比べて料金も下がるので、リーズナブルに引越しをしたいのであれば、需要の低い時期を狙って引越しを行いましょう。また、複数の引越し業者に見積もりを取ることで価格交渉もしやすくなるため、相見積もりは必ず行うようにしましょう。
通常期を選ぶ
引越し業界が通常期を迎える11~1月は引越しの需要が下がるため、それに伴い料金も安くなる傾向にあります。反対に3~4月の繁忙期は1年で最も引越し料金が高騰する時期なので、荷物が多い場合の引越しは避けた方が良いでしょう。
また、引越しが集中しやすい月末・月初、土日・祝日、大安の日を避けることで、よりリーズナブルな引越しを実現できる可能性が高くなります。
フリー便を活用する
「引越しが終われば何時に作業が始まろうが気にしない」という場合は、フリー便の利用がおすすめです。フリー便とは、引越し業者の都合に合わせて引越しの時間帯が決まるプランです。そのため、時間帯指定する場合と比較してもフリー便はリーズナブルに利用できます。
ほとんどの場合は午後から作業がはじまりますが、時間帯が読めないこともあり、引越し作業が夜間にまで及ぶ可能性もある点には注意が必要です。特に繁忙期の引越しは時間が遅くなりやすいため、フリー便を利用する場合は、引越し当日にほかの予定を入れないようにしておきましょう。
複数の引越し業者に見積もりを依頼する
引越し業者ははじめから1社に決めてしまうのではなく、複数社をピックアップして見積もり依頼を出しましょう。すべての見積もりが出そろったところで、対応の良さそうな引越し業者を選定。ほかの引越し業者の見積もりを提示することで、価格交渉がしやすくなります。
目安としては3社以上から見積もりをとると良いでしょう。見積もりの数が増えればその分、判断材料が多くなるとともに価格交渉の材料も増えることになり、交渉もしやすくなります。その結果、お得に引越しができるでしょう。
引越し見積もり時より荷物が多くなった場合の対処法
見積もりをお願いした時点から荷物が増えた場合は、速やかに引越し業者に連絡しましょう。引越しの時期にもよりますが、繁忙期やたまたま引越しが集中した場合などは、最適なサイズのトラックを用意できない可能性も無きにしもあらず。
「このくらいなら載せられるだろう」という思い込みで、荷物量が増えたことを引越し業者に伝えなかったばっかりに、荷物を積み込みきれずに途方に暮れるということも往々にして発生します。
また、当然ですが、積載しきれなかった分は自力で運ぶほかありません。自家用車がない場合は、レンタカーを借りるか、家族や友人に車を出してもらうことになるでしょう。これらの手段も利用できない場合は、公共交通機関やタクシーを利用してどうにか運ぶことになります。後悔してからでは遅いので、見積もり時よりも荷物の量が増えた場合は、その時点ですぐに引越し業者に相談するようにしましょう。
まとめ
物事には裏表があり、デメリットがあれば必ずメリットがありますが、引越しの際に荷物が多いことに関しては例外です。作業の手間と時間が増えることや引越しにかかる料金が高くなるだけで、これといったメリットはありませんので、荷物はできるだけ減らすが吉です。
ただし、なかには仕事が忙しかったり、引越しまでの猶予がなかったりするために荷物を選別する時間の確保が難しい場合もあるでしょう。そうした場合には、引越しの時期や日にちを工夫することで引越し料金をおさえられます。また、価格交渉がしやすくなるため、時間がない場合でも相見積もりはとることをおすすめします。