目次

- 引越しに使うトラックは、サイズによって料金が異なります
- トラックのサイズは、運搬する荷物量によって決められます
- トラックをレンタルして自力で引っ越す方法もあります
多くの荷物を運び出す引越しには、運搬用のトラックが欠かせません。トラックにもさまざまな種類があり、使用するサイズによって料金も変わります。引越し料金を抑えるには、自分の荷物量に適したトラックのサイズを把握しておくと良いでしょう。しかし、どの大きさのトラックに、どのくらいの荷物が積めるのかわからない方もいるかもしれません。
そこで、この記事では引越しトラックのサイズや料金、選択時の注意点などを解説します。
トラックのサイズの種類と運べる荷物量
一般的に引越し事業者はさまざまなサイズのトラックを用意しており、依頼者の荷物量に応じて適切な大きさのトラックを選択します。引越し事業者に依頼する際、荷物量を正確に伝えないとサイズの異なるトラックが来ることもあります。その場合、荷物が運びきれなかったり、余計な料金がかかったりする恐れもあるでしょう。これらを避けるべく、事前にトラックのサイズや運べる荷物量を把握しておきましょう。
軽トラック
軽トラックはワンルーム~1K程度の部屋の荷物量に適しており、単身引越しにおすすめです。ダンボールは10~15箱ほど積めます。多くの引越し事業者が使用する軽トラックは、コンテナの高さを確保しているモデルが多いため、背の高い家具も運べるでしょう。
そのほか、小回りが利く車のため狭い道幅にも対応しやすいです。比較的狭い道路でも、荷物の積み卸しを行えるでしょう。
2トンショートトラック
2トンショートトラックは、2トントラックの標準的なサイズです。ワンルーム~2K程度の部屋から出る荷物量にちょうど良いサイズです。なお、ダンボールは20箱ほど積めます。
2トンショートトラックは、多くの引越し事業者が提供している単身パックで運べない大きな家具なども運搬可能なサイズです。一人暮らしで家具や家電を一通りそろえている方や、新居で家具を買いそろえる予定のある二人暮らしの方の場合などにもおすすめです。
2トンロングトラック
2トンサイズトラックの大型モデルです。冷蔵庫や洗濯機など大型の家電が多い二人暮らし、あるいは荷物が少なめの3人暮らしの家族での引越しに適しています。2K~2DK程度の部屋から出る荷物量にちょうど良いサイズです。ダンボールは20~30箱ほど積めます。
同じ2トントラックという名前でも、2トンショートトラックとは車の大きさや積載量が大きく異なります。料金にも差があるため、どちらのサイズを利用すべきか慎重な判断が必要です。
3トントラック
比較的大型のトラックです。2K~2DK程度の部屋の荷物量にちょうど良いサイズでしょう。ダンボールは30~50箱ほど積めます。衣類をたたまずに梱包できるハンガーボックスも積載可能です。
2トントラックと比べて車体の横幅が広くより多くの荷物を詰めますが、通れる道幅に制限がかかる可能性もあります。旧居や新居付近の道が問題なく通れる道か確認しておくと安心して利用できるでしょう。
4トントラック
一般的な引越しで用いられるトラックとしては最大の大きさです。2LDKや3K程度の部屋から出る荷物量にちょうど良いサイズでしょう。ダンボールは40~65箱ほど積めます。ハンガーボックスも含めて、家族用の荷物も安心して積み込めるでしょう。
ただし、4トントラックはサイズが非常に大きいため、引越し作業中に旧居や新居周辺の道をふさぐ恐れがあります。対向車が通れる程度の道幅がないと使用できないため、あらかじめ搬出入の経路について引越し事業者と相談しておきましょう。
トラックのサイズ毎の料金相場
冒頭でも触れたように、引越し事業者のトラックは、サイズごとに料金が異なります。大型のトラックを利用すると料金もかさむため、自分の荷物を運ぶために必要なトラックの大きさを把握しましょう。トラックが大きすぎるとトラック内に広い空きスペースができて無駄が多くなり、逆にトラックが小さすぎると荷物を積み切れず再手配のための追加料金がかかるかもしれません。空きスペースが多いと走行中に荷物が崩れる危険もあるため特に注意しましょう。
以下はトラックのサイズと料金の相場をまとめた表です。
軽トラック | 2トンショートトラック | 2トンロングトラック | 3トントラック | 4トントラック | |
---|---|---|---|---|---|
料金 | 15,000円~ | 約20,000円 | 約35,000円 | 約45,000円 | 約57,000円 |
一般的に2トンロングトラックを使用する規模の引越しでは作業員が複数必要なため、作業員の分だけ人件費が増加します。そのため、2トンショートトラックと比べて2トンロングトラックではより多くの料金を求められる傾向があるようです。そのほか、引越し距離や作業時間、エレベーターの有無などさまざまな条件で料金は変動します。見積りを依頼してしっかり確認しましょう。
トラックを選ぶ際の注意点
引越しに使うトラックは、よく考えて選びましょう。特にトラックの大きさと積める荷物の量、旧居や新居周辺の道幅や駐車場所に注意して選択します。適切な大きさ・台数のトラックを選ばないと、時間や料金などに無駄が生じる恐れがあります。引越しでは時間もお金もたくさん必要になるため、少しでも無駄を省いて効率よく引越し作業を進めましょう。ここでは、引越しに使うトラックを選ぶ際の注意点についてご紹介します。
最大積載重量を確認
引越し用のトラックを選ぶ際は、各トラックの最大積載重量を確認しておきましょう。トラックは種類ごとに積める荷物の量に制限があり、制限を超えて荷物を積んでいると違法行為にあたります。違反点数・反則金・罰則などを受けるだけでなく、車両総重量も増加し運転が難しくなります。事故に繋がる危険性もあるため、必ず最大積載重量を超えないように気を付けて積載・運搬しなくてはなりません。
特に軽トラックは最大積載重量が350kgとほかのトラックより少ないため要注意です。少人数での引越しでも気を付けましょう。家具や家電以外にも、本などの量にも注意が必要です。本は量が増えるとかなりの重量になるため、別の運送方法を検討しても良いでしょう。

引越し先の道幅・駐車場所を確認
引越しの際には、新居周辺の道幅や駐車可能な場所を事前に確認しておきましょう。トラックが大きいと通れる道に制限がかかり、運搬中にまわり道しなくてはならない可能性があります。また、新居の前にトラックを停められない場合は少し離れた場所に停めて荷物を運ばなくてはならず、作業時間が予定よりかかる場合もあります。
これらの状況を避けるためにも、事前に道を確認して引越し事業者に伝えましょう。「大型トラックを1台遠くに停める」「小型トラックを1台近くに停めて複数回往復する」「小型トラックを複数台利用する」など、予算や状況などに合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。
引越し時トラックには同乗できる?
人によっては「新居まで引越し事業者のトラックに一緒に乗っていきたい」と考えるかもしれません。しかし、引越し時はトラックに同乗できません。新居まで行けるため同乗できれば効率的に感じられますが、引越し事業者が利用者をトラックに乗せて運ぶと法律違反になります。引越し事業者を運営するためには「貨物自動車運送事業法」にしたがい貨物輸送専門の許可を取得しなくてはなりません。一方で利用者を運ぶためには「道路運送法」にしたがい旅客輸送の許可が必要です。それぞれ必要な許可が異なり、多くの引越し事業者は旅客輸送の許可をとっていないため利用者の同乗は不可能なのです。
トラックを自分でレンタルする方法
引越し作業にトラックを使う場合は、引越し事業者に依頼するだけでなく、自分でレンタルする方法もあります。トラックは種類により必要な免許証の種類が異なりますが、「最大積載量2トン未満、車両総重量3.5トン未満」までであれば普通免許で運転できます。新居に運ぶ荷物の量を考えて、最適な大きさのトラックをレンタル、利用しましょう。
トラックは各レンタカーショップで借りられます。それぞれ借りられる車種や大きさなどが異なるため、料金やトラックの種類をしっかり選びましょう。
また、レンタカーショップの場所も考慮する必要があります。旧居から近い店舗であればスムーズに利用できるほか、店舗が多いレンタカーショップであれば新居の近くで返却できることもあります。レンタルから引越し、返却までをなるべく効率良く行えるような事業者選択が大切です。以下では、引越しでトラックをレンタルする際の料金目安やメリット・デメリットを紹介します。
トラックレンタルの料金
トラックは全国のレンタカーショップで借りられます。料金はレンタカー事業者やトラックの種類、利用する地域などにより異なるため、自分の引越しに必要な大きさのトラックを考えて料金を調べておきましょう。事業者によっては3トントラック以上のモデルを借りられない場合もあります。以下はトラックのサイズと大まかな料金の表です。時間は12時間を想定しています。
軽トラック | 2トンショートトラック | 2トンロングトラック | 3トントラック | |
---|---|---|---|---|
料金 | 約7,000円 | 約13,000円 | 約19,000円 | 約20,000円 |
自分でトラックをレンタルするメリット
自分でトラックをレンタルして引っ越すと、いくつかのメリットがあります。まず、引越し事業者に依頼するよりも安く引っ越せるという点です。トラックをレンタルしたときに必要になる料金は、レンタル代やガソリン代などが中心になるため、引越し事業者に依頼するよりも料金を抑えられる可能性があります。
また、引越しの日程を自分で決められる点もメリットでしょう。引越し事業者に依頼すると、事業者側の予定に合わせなくてはなりません。特に、引越し事業者の繁忙期は、予約可能な日時に大きく制限がかかる可能性もあります。一方、自分でトラックをレンタルして引っ越せば、自分の好きな日時に引っ越せます。

自分でトラックをレンタルするデメリット
トラックをレンタルして引っ越す方法には、デメリットも存在します。まず、自分でトラックを運転する手間がかかります。トラックは通常の乗用車と運転感覚が異なり、普段から車を運転していても戸惑う可能性があります。さらに、慣れない土地で荷物を多数積んだ車を運転するため、事故が起きないよう注意が必要です。もし、事故などでレンタカーに傷を付けた場合は、修理費がかかる場合もあります。
また、引越し事業者に依頼しないということは、荷物の積み卸しも自力で行わなければならないということです。家からトラックの往復には、相当な労力がかかります。場合によっては、荷物を持ったまま階段の上り下りをする必要もあるでしょう。
そのうえ、荷物や部屋などを破損したときの保証もありません。大型家具を運搬していて壁にぶつけたり、割れ物の道具を落として割ってしまっても、すべて自己責任となります。
まとめ
この記事では、引越しに使うトラックの種類や料金、注意点などをご紹介しました。多くの荷物を運ぶ引越しではトラックが欠かせません。荷物の量や大きさ、予算などを考えて、トラックを有効に活用しましょう。充実した新生活のために、引越し初期段階のトラック選択から気を配りましょう。