目次
- 引越しでかかる心理的・肉体的な負担から引越しうつになることがあります
- 引越しうつにならないためには引越し時にかかる労力を削減したうえで引越し後の楽しみを作ることが重要です
- ペットも引越しによるストレスを感じるため同じくケアが必要です
引越しの際、ストレスを感じる方は多いのではないでしょうか。引越しは新生活に心がときめく一方で、荷造りや手続きなどで心理的・体力的負担を伴う作業です。ストレス指数が高まり、なかには引越しうつを発症することも。この記事では、引越しで掛かるストレスの原因と対策について解説します。
引越しでストレスが掛かる原因
引越しは、なぜストレスが掛かるのでしょうか。原因は主に3つあります。
引越しのストレスの原因 | |
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1 | 慣れ親しんだ土地・部屋を離れる |
2 | 新しい場所での生活の不安 |
3 | 荷造りや片付け、各種手続きの負担 |
就職して一人暮らしを始める方、結婚・妊娠を機に引っ越す方、転職・転勤による異動など、引越しのタイミングは人によりさまざまです。しかし、引越しをすれば誰でも自分が慣れ親しんだ環境から離れることになります。これまで築き上げた人間関係や土地勘は一度リセットされ、新たな場所でまた一からそれらを構築しなくてはなりません。「新しい環境でうまくやっていけるか」といった心理的な不安から引越しにはストレスがかかると言われています。
また、引越しは荷造りや荷解き、役所関係の手続きなど体力的な負担も伴います。引越しの準備においては、引越しまで時間のない中、スムーズに準備が進むように段取りを考えなくてはならず、精神的にも肉体的にも疲れる場合が多いです。
引越しのストレスの症状は?
引越しで大きなストレスが掛かった場合、どんな症状がみられるのでしょうか。代表的なものには、以下のような症状があります。
引越しのストレスの症状 |
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・気分が落ち込む |
・イライラする |
・物事に集中できない・やる気が出ない |
・寝不足になる |
・誰にも会いたくない |
・食欲が低下する |
・動悸や発汗、手足の冷えが気になる |
「普段は元気なのに、なぜか引越しが近づくにつれて憂鬱になってきた」「引越してから、なんとなく食欲がない」このような症状は、引越しのストレスのサインです。無自覚の方も多く、特に子どもは自身で自覚できる場合が少ないため、気付いた家族が何かしらの対策をとる必要があります。妊娠中や産後まもない女性も注意しましょう。この時期はホルモンバランスの変化が原因で、自立神経やメンタルが不安定な状態にあるため、環境の変化が大きい引越しは避けた方が無難です。やむを得ず引越しをしなくてはならない場合は、できるだけストレスを抱え込まないようにしましょう。
また、引越しでストレスを抱え込みやすい方には性格面の特徴もあります。真面目で几帳面な方、完璧主義の方などは、人に頼らずすべての作業や手続きを一人でこなそうとする傾向があります。一人の力ではどうにもならない場合もありますので、頼れる人がいる場合は頼った方がスムーズにことが運び、ストレスも軽減できます。
引越しうつとは
引越しを行う際に現れる前述のようなうつ症状を引越しうつと言います。「マタニティブルー」などと同様に「引越しブルー」と呼ばれることもあります。引越しのストレスが起因の引越しうつは誰にでも起こり得る症状です。「まさか自分がかかるなんてことはない」と過信せず、普段と違う感情や行動を感じたら、早めに対策をとりましょう。
自分が引越しうつだと感じたら
引越しうつの症状を感じた場合は、以下のような対策をとりましょう。
- 休息をとる
引越しうつの一番の薬は、「焦らないこと」です。引越しうつの症状は、荷造りや荷解き、新しい環境への順応など引越しに伴うさまざまなタスクに、心が悲鳴をあげている状態といえます。人に頼めることは頼んだり、荷解きを必要最低限の物だけに留めたりなど、自分への負担を軽減し、ストレスを最小限にしましょう。
- 外の空気を吸う
引越しうつになった場合、新しい環境に馴染めず、家に引きこもりがちになることがあります。そのような場合は、ベランダなどから少しだけ外の空気を吸ったり、アロマで落ち着く香りを探したりして、気分をリフレッシュしましょう。
前述の方法を試しても効果が得られなかった、または行う気力が無いといった場合は、一度専門医の受診を検討しましょう。
引越しでストレスを溜めないためのポイント
引越しは、心理的・体力的・金銭的負担を伴います。新しい人や場所と出会うというポジティブな面もありますが、引越しがストレスになる人は多くいると思います。引越しでストレスを溜めないためには、どんな工夫が必要なのでしょうか?ここでは、4つご紹介します。
日頃から整理整頓をしておく
引越しの際に手間になることのひとつに荷造りがあります。引越しの準備を頑張りすぎたり、急ぎすぎたりすると心理的な負担が大きくなります。普段から片付けや整理整頓を心がけ、部屋をスッキリした状態に保っておくことで、いざ引っ越す時の荷造りにかかる労力を軽減することができるでしょう。時間にゆとりをもって荷造りをすることができれば、同時に気持ちにもゆとりがもてます。心理的な負担を軽減することができるでしょう。
荷造りの際に不用品の処分に頭を悩ませる方も多いかと思います。家具・家電などを新調する場合は、不用品の処分方法を計画的に考えておきましょう。リサイクルショップや買取サービス業者に依頼したり、自治体の粗大ごみに出したりとさまざまな方法があるので自分に合った処分方法を効果的に活用しましょう。
レイアウトを決めておく
引越し当日を迎え、冷蔵庫やテレビをどこに置くか決めていないと、運びこみが終わってから自分で移動させなくてはなりません。物件を見学した際に撮った写真や間取り図を参考に、どこに何を置くかだいたいのレイアウトを決めておくと、運び込み後の作業がスムーズになります。
やるべきことリストを作る
引越しには、さまざまな手続きや作業が発生します。特にライフラインの変更手続きは、入居日と退去日のタイミングを間違えると大変なことになります。カレンダー等を利用し、「いつ」「何を」すべきか管理して漏れないようにしましょう。また、一人暮らしではなく家族や二人暮らしで引越しをする場合は、すべてを一人で行おうとせず、任せられることは任せましょう。
自分しか引越しの準備ができないという場合でも、最近はさまざまな代行サービスが充実しています。住所変更やライフラインの利用手続きの代行業者や、荷造りの代行サービスなどもあるので、状況に応じて効果的に活用しましょう。
引越し予定の方、必見!引越し前~引越し後にやることの準備リストを紹介しております。
引越し後の楽しみを作る
引越しの準備でへとへとになったとしても、新居での楽しみが待っていれば頑張れます。例えば気になるお店に食事に行ったり、ゆっくりお風呂に浸かったり…自分に引越し祝いを与えるような感覚で、引越し後に好きなことを楽しむ時間を設けましょう。新しい場所で知り合いを作るのも効果的です。お部屋を模様替えするのも気分転換になります。楽しい気持ちを常に持ち、引越しのストレスを溜めないようにしましょう。
ペットのストレスへの配慮も忘れずに
近年はペットブームといわれており、犬や猫以外にも、ハムスターやウサギ、フェレットなどペットを飼っている家庭は多いでしょう。人と同じく、ペットにとっても新しい環境はストレスになりえます。例えば、犬はストレスを感じた場合、「何度も伸びやあくび」をしたり、「無駄に吠え」たりするなどの行動をすることがあります。また、環境の変化が苦手な猫の場合は「食欲が落ちる」「トイレ以外で排泄する」ことも。ここでは、引越しに伴うペットのストレス対策について解説します。
- 旧家で使っていた品を持って行く
前の家で使っていた毛布やおもちゃ、爪とぎなどを新しい家でも使うことで、前の家の匂いや自分の匂いがすることから安心し、ストレス対策に繋がります。寝床を新調したり、遊び道具を洗ったりしてしまうと強い不安を感じさせてしまいますので、たとえぼろぼろになった遊び道具があったとしてもそのまま持って行ってあげましょう。
- ケージやトイレを以前と近い間取りに
ペットのケージやトイレは、前の家と近い配置にすることもストレス対策に有効です。前の家の環境を感じることで、気持ちの安定に繋がるといわれています。特に、普段使用しているトイレはそのまま持っていきましょう。環境が変わり、少し違うレイアウトになったとしても自分のニオイが強く残っているものがあれば、今までの生活と変わりなく過ごす手助けになるでしょう。
- 引越し作業を見せない
引越し当日だけでなく、準備や大掃除で騒がしくなり日常と異なる状況はペットにストレスを与えます。また、物陰に隠れてしまい引越し作業がはかどらないことや、万が一の脱走を考慮すると、ペットホテルの利用や、知人にしばらく預かってもらうのも手段の一つです。ペットホテルは費用がかかってしまいますが、引越し当日だけでも預けることができれば、ペットを気にせず作業できます。ただしペットにとっては慣れない環境のため、長期間預けてしまうと逆にストレスになることもあるので注意しましょう。
まとめ
引越しは、やるべきことが多く人にとってストレスが掛かる作業です。ストレス指数が高まると、なかには引越しうつを発症する人もいます。もし自分や家族に引越しのうつ症状がみられたら、早めに対策をとりましょう。また、引越しは人と同じくペットにもストレスを与えます。ぜひこの記事を参考に、あなたとペットに合ったストレス解消法を実践し、楽しい新生活を迎えてください。