目次
- 引越しの荷物を自分で運ぶと費用がおさえられ日程の調整がしやすい一方で作業の手間がかかります
- 荷物を自分で運ぶ際は梱包や運搬などの事前準備が大切です
- 人数や荷物量に応じて荷物運搬用にレンタカーを借りる方がいいこともあります
引越しの際は、引越し業者へ依頼するのが一般的です。しかし、引越しの荷物を自分で運ぶことを検討している方もいるのではないでしょうか。この記事では、引越しの荷物を自分で運ぶメリットやデメリットをご紹介します。自分で荷物を運ぶ際のポイント、引越し業者へ依頼したほうがいいケースなども解説しているので、ぜひ参考にしてください。
引越しするときに自分で荷物を運ぶメリット
引越しをする際、移動する荷物の全部、または一部を自分で運ぶ人もいます。大型家具・家電がない場合や、荷物が少量のとき、また手伝いの人を頼める場合などは、自分で荷物を運んだほうがお得になることもあります。引越し荷物を自分で運ぶ主なメリットは次のとおりです。
- プライバシーが保護でき、心理的負担を減らせる自分の都合にあわせたスケジュールで引越しができる
- 引越し料金を安くおさえられる
ここでは、引越しの荷物を自分で運ぶメリットについて、さらに詳しく解説していきます。
プライバシーが保護でき心理的負担を減らせる
多くの引越し業者は、個人情報管理に関して「プライバシーマーク」を取得したり、情報セキュリティ管理の国際基準の「ISO 27001」を取得したりして徹底した管理を行っています。しかし、いくらプライバシー管理を徹底していても、現場の作業員がクライアントの自宅を特定することに対して不安を感じる方もいるでしょう。また、業者とはいえ他人が自宅に立ち入ることに抵抗を感じる場合もあります。このような負担を軽減したい方は、自分で引越しをすることでプライバシーを保つことが可能です。
自分の都合にあわせたスケジュールで引越しができる
繁忙期である3月中旬~4月上旬は、引越し需要が1年で最も高まる時期です。引越しのオフシーズンは11~1月ですが、どうしても繁忙期に引越しを行うという場合は、希望日に引越しを行えない可能性が高くなります。
また、希望日に引越しを行えたとしても、引越し業者の人手不足の影響で引越し先に荷物が届くのが遅れるケースも想定しておかなければなりません。
しかし、自分で引越しをすれば、自分の都合にあわせたスケジュールで引越しが行えるうえに、引越し先への荷物の搬入もスケジュールどおりに行える可能性があります。特に、繁忙期に引越しする必要があり、引越し予定日まで時間がない場合は、自分で引越しを行った方が予定どおりに作業が行えるでしょう。
引越し料金を安くおさえられる
自分で引越しをする最大のメリットは、引越し業者に依頼するより引越し料金を安くおさえられる点です。
引越し業者は、価格設定を引越し先までの距離、荷物の量、スタッフの数などによって決定します。したがって、引越し先までの距離が長くなれば、ドライバーを交代するための費用が上乗せされるので料金は高くなるのです。また、同様に荷物が多くなれば、搬出・搬入に必要なスタッフの数も増えるため引越し料金は高額になります。
しかし、自分で引越しをする場合は、基本的にかかる費用はレンタカーを借りる費用のみです。引越しを手伝ってくれた人に対して謝礼金を渡したり別途食事会を開いたりするなどの形でお礼すべきではありますが、それを加味しても自分で引越しをすれば必要最低限の費用で引越しを行えます。
引越しするときに自分で荷物を運ぶデメリット
引越し業者に依頼せず自分で荷物を運ぶ場合は、慣れない引越し作業のすべてを自分で行わなければなりません。また、想定外の出来事やトラブルが起きたときに、自分で責任を持って対処する必要があります。特に、大型家具・家電がある場合や荷物が多い場合は、想像以上に大変に感じるかもしれません。自分で荷物を運ぶデメリットとして、次のようなことが想定されます。
- レンタカーの運転を自分でする必要がある
- 荷物を運ぶ際の身体的負担が大きい
- 部屋や荷物などを傷つけたときに補償されない
ここでは、さらに詳しく解説していきます。
レンタカーの運転を自分でする必要がある
引越しで使うレンタカーの運転は、基本的に自分でする必要があります。冷蔵庫やタンスなどの大型家具・家電を積み込むには、通常よりも大型の車を借りる必要があります。日常的に車を運転している人でも取り回しに苦労するでしょう。
また、荷物を積み込むことで車両が重くなり、運転感覚もそれにともなって変化します。特に、ペーパードライバーや初心者は運転中に思わぬ事故を引き起こす恐れもあるため、運転には細心の注意を払うようにしましょう。
さらに、土地勘のない道路の運転は一般の乗用車でも難しいものですが、大型の車となればさらに難易度は上がります。そのため、あらかじめ走行ルートを調べておき、道路が混みあう時間帯や狭い道は避けることをおすすめします。
引越し時のトラックレンタルについてはこちらの記事をご覧ください。
荷物を運ぶ際の身体的負担が大きい
自分で引越しをする場合は、荷物の運搬と設置まで自力で完結させる必要があります。引越しの荷物が多い場合は一度にすべての荷物をレンタカーへ積み込めず、旧居と新居の間を往復する場合もあるでしょう。また、2階以上の物件で荷物を搬出・搬入する際は、重い荷物を持って体を痛めたり怪我をしたりすることも考えられます。引越し作業中の安全確保には十分注意しましょう。
部屋や荷物などを傷つけたときに補償されない
引越し業者は引越しのスペシャリストです。そのため、部屋を傷つけないための養生をしっかりと行ったうえで作業し、荷物を傷つけないための運搬方法も心得ています。また、万が一部屋や荷物を引越し作業中に破損しても、引越し業者に責任がある破損であれば補償してもらえます。
一方、自分で引越しを行う場合は荷物や部屋の破損に補償がありません。また、レンタカーへ搬入する際に傷をつけた場合は修理費を請求される恐れもあり、引越し料金を安く済ませるつもりが、かえって出費が増えるケースもあります。
引越しの際に自分で荷物を運ぶときに準備すべきもの
引越し業者に依頼せず自分で引越す場合は、レンタカー以外にも用意しておくべきものがあります。スムーズに引越し作業を進めるために早めに用意しましょう。ここではレンタカー以外に引越し作業で必要となるものをご紹介します。
必要な数のダンボール
まず、荷物を詰める梱包資材を用意しましょう。自分で引越す場合は引越し業者から資材をもらえないため、ダンボールはもちろんのこと、ガムテープや緩衝材なども自分で必要量調達する必要があります。ダンボールはホームセンターやWebサイトで購入するか、スーパーマーケットなどで提供されているものをもらいます。なるべく頑丈できれいなものを選びましょう。
引越しで必要なダンボールの数や入手方法について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
工具
カッターナイフやレンチなどの工具も用意しましょう。これらは、ダンボールの開梱や家具の解体など引越しの過程で使用します。工具の使用時や荷物の運搬時などに怪我をしないよう、頑丈な手袋も必要です。ダンボールの中身を切る心配がない開梱用カッターや、結束バンドやひもを簡単に切れるハサミなど、引越しに便利な工具は多く販売されているので調べてみましょう。
運搬車両
自分で引越す場合は、運搬車両も確保する必要があります。大きな家具や家電を運ぶなら、自家用車で完結させることは難しいため、レンタカーを手配しましょう。
荷物の少ない単身者は、レンタカーのなかでも安く借りられる軽トラックのレンタルがおすすめです。ただし、積載重量は350kgまでと重くて大きな家具の運搬には適していません。そのため、引越し先で家具を購入するなどの工夫が必要です。
また、幌のないタイプは悪天候だと荷物が雨に濡れるうえに、ロープなどを使って安全に荷物を固定するのは慣れていないと難しく、想定よりも積み込める荷物は少なくなることがほとんどです。このため、幌付きの軽トラックを手配するのがおすすめです。
二人暮らしの場合は、軽トラックより荷物が積めるバンタイプがおすすめです。背が高い家具や家電は運べないという欠点がありますが、荷物が雨に濡れない、荷物の出し入れが比較的楽にできるというメリットがあります。
また、バンタイプは小回りが利くため運転がしやすく、何回か往復して輸送する場合でも負担感なく引越し先まで荷物を運搬できます。
単身や二人暮らしでも1DKなど2部屋以上の間取りの物件に住んでいて荷物が多い、子どもがいる家族は2トンショートトラックがおすすめです。積載容量が大きいので、大型家具・家電も安心して積み込めます。ただし、2017年3月12日以前に免許を取得している人は普通運転免許で運転できますが、2017年3月12日以降に免許を取得した人は、改正道路交通法の施行により2トンショートトラックの運転はできないため注意が必要です。
運搬を手伝ってくれる人手
多くの荷物を運ぶ引越し作業は、基本的に一人だけでは行えません。引越し業者に依頼しない場合は、家族や友人などの協力を依頼しましょう。引越し完了後は、お礼として食事会を開いたり、謝礼金を渡したりするのが一般的です。
引越しする際に自分で荷物を運ぶ場合にかかる費用
主な費用の内訳としては、レンタカー料金、交通費(ガソリン代+高速道路料金)、梱包材費、協力者への謝礼です。レンタカー料金は、レンタル時間を12時間以内で考えた場合、バンタイプであれば約5,000~13,000円、軽トラックであれば約7,000円、2トンショートトラックであれば約13,000円が相場です。交通費は、移動距離30キロまでの中近距離であれば約3,000円程度、東京~大阪のような遠距離の場合は約15,000円以上かかります。そのため、移動距離が長くなるほど、低コストでおさえられるという自分で引越しをするメリットは薄れていきます。
また、梱包材費は1枚約200円のダンボールが20箱で約4,000円 、他に布テープや緩衝材の調達も必要です。ダンボールはスーパーやコンビニから廃棄用のものを無料で譲り受けることも可能ですが、強度が落ちるという問題もあるためなるべく新品を用意しましょう。協力者への謝礼は、何をどこまで依頼するのか、相手との関係性によっても異なりますが、10,000円程度が相場です。なお、移動が長時間に及ぶ場合は、途中休憩の際の昼食代も必要です。
引越しする際に自分で荷造りするポイント
家財の荷造りを引越し業者に頼らずに進めるためには、いくつかのコツがあります。荷造りの順番や梱包場所など、無計画に行わず段取りよく進めていきましょう。自分で荷造りするために知っておくべきコツや注意点は次のとおりです。
- 普段使わないものから梱包する
- 箱の中身や運ぶ先を明記する
- 部屋ごとに分けて梱包する
- 引越し作業を手伝ってくれる人を探す
- 新居までの経路を事前に確認する
- 隙間を作らないように積み込みをする
- 駐車許可証を用意する
- 搬出入時は養生する
- 時間に余裕を持たせる
- 組み立て家具を分解しまとめる
ここでは、コツや注意点をさらに詳しく解説していきます。
普段使わないものから梱包する
膨大な荷物の荷造り順に悩むときは、普段使わない荷物から優先的に梱包しましょう。具体的には、物置の奥にしまい込まれているものやオフシーズンの衣類、アルバムのような思い出の品などをはじめに詰めます。使用していないものから詰めていけば不用品を処分する判断もしやすくなるでしょう。
箱の中身や運ぶ先を明記する
梱包後のダンボールには、中身や運ぶ部屋などを書いておくと新居への搬入時に役立ちます。引越し作業では自分や家族、引越し業者など複数人が荷物に触れるため、誰が荷物を運んでいても搬入すべき場所がすぐわかるようにしましょう。その際、ダンボールの蓋だけでなく側面にも書いておくと、トラック内で積まれていても把握しやすくなります。
部屋ごとに分けて梱包する
荷物の梱包は部屋ごと、もしくは引き出しごとに分けて行いましょう。同じ場所に置いてあった荷物を同じダンボールに詰めれば、梱包後必要になったときに探しやすくなります。また、玄関より遠くにある部屋から荷造りを進めていくと、引越しまでの生活で邪魔になる心配もありません。
引越し作業を手伝ってくれる人を探す
単身引越しで荷物が少ないとはいえ、大型家電・家具の運搬には知人・家族などの協力者が必要です。また、自分で車を運転できない場合は、代わりの運転手も探す必要があります。身近な人に手伝ってもらう場合は、引越しのプロではないため運搬中の事故や荷物の破損リスクは高くなり、補償もないことを認識しておきましょう。しかし、協力してもらえれば引越し作業をスムーズに送ることにつながります。手伝ってもらった方への謝礼は忘れずにしましょう。
新居までの経路を事前に確認する
自分でやる引越しは、引越し業者に依頼する場合に比べて作業時間がかかるため、余裕を持って作業を進められるよう新居までの経路を確認しておきましょう。経路を確認しておくことで、道幅が狭くて車が進入できないというトラブルを避けられます。単身引越しの軽トラックなどであれば、よほど狭い道でない限りは心配ありませんが、荷物の搬入時に付近に駐車しておけるスペースがあるのか確認する必要もあります。
また、建物内の運搬経路の確認も重要です。大型家電・家具を搬入する際にエレベーターや階段を使用できるかどうかや、人手はどのくらい必要かなどを事前に確認しておきましょう。大型家具やピアノなどで階段やエレベーターが使えないものがある場合は、クレーンを使って吊り上げるなどの対応が必要であり、手間や時間、費用などのコストを考慮すると業者に依頼したほうが早い可能性があります。
隙間を作らないように積み込みをする
積み込みには家具や家電などを摩擦から守るために、不要な布団や毛布などのあて物を用意しましょう。あて物は傷つきやすい家具や家電を覆ったり、間に挟んだりして使います。
積み込みに必要なものを用意したら、積み込む順番を検討しましょう。まず、重いダンボールの荷物を下の方に、軽いダンボールの荷物や重ねにくい荷物を上の方に積みます。その次に、ダンボールなどが崩れないように押さえつけられる本棚や食器棚を積み込みます。そして、洗濯機や冷蔵庫などで食器棚が倒れないようにおさえていき、前の方から段々と高さを低くして最後に布団などを上の方に乗せます。最終的には高さが水平になるのが理想です。
このように、積み込む際は可能な限り隙間を作らないように意識し、隙間ができたら座布団や毛布で埋めます。左右の隙間は多少であれば許容されますが、車は前後の重心移動が大きく、前後の小さな隙間が荷物の転倒につながる恐れがあるため、前後の隙間はしっかり埋めるようにしましょう。
駐車許可証を用意する
荷物の搬出および搬入時は、物件の敷地内に駐車スペースがあるかどうか確認しましょう。駐車スペースがない場合は、近くの道路へ駐車する必要がありますが、道路に駐車する際には駐車違反に注意が必要です。手伝ってくれる人が多めにいる場合は、駐車中に運転席に待機する人員を作っておけば何かあってもすぐに対応できます。
手伝ってくれる人が少なく運転席に待機する人手を割けない場合は、事前に警察署に駐車許可証を発行してもらいましょう。多くの場合、交付には1週間ほど要するため、駐車予定の最寄りの警察署にいつから申請可能か問い合わせてできるだけ早く申請しましょう。なお、道路の込み合う時間や駐車する場所によっては、申請しても駐車許可証が発行されない場合があるため注意が必要です。
搬出入時は養生する
荷物を搬出入する際は旧居と新居の部屋の中だけでなく、賃貸物件の通路やエレベーター、レンタカーの車内を傷つけないようにする必要があります。引越し業者は傷が付く恐れのある通路や部屋の壁をブラスチック製パネルで保護したり、フロアシートやキルティングマットを床に敷いたりしていますが、個人でそれらを用意するのは難しいため、ダンボールをカッターでシート状に展開して使用します。狭い通路など家具や家電などの荷物をぶつけそうな危険な場所では2枚重ねて利用すると良いでしょう。また、ダンボールのシートの固定には養生テープという剥がした後に跡が残らないテープを使用します。
シート状にしたダンボールはフロアシートの代用として使えますが、ダンボールのシートを引きずった時の摩擦で床が傷つくこともあるため、養生テープを使用してシートが動かないようにしっかりと固定する必要があります。
キルティングマットの代用には使い古した毛布が役に立ちます。毛布を処分する予定がある場合は引越し作業が終了するまで残しておきましょう。ただし、ダンボールシートや使い古した毛布だけでは引越し業者が行うような広い範囲まではカバーできないため、旧居と新居で保護の必要があるポイントをあらかじめ確認しておく必要があります。
また、レンタカーは擦って傷をつけただけでも事故扱いになりますので、傷をつけないようにレンタカーの荷台の床面および周囲をダンボールのシートで保護しておきましょう。
時間に余裕を持たせる
よほど引越しに慣れた人でないと、スピーディに作業は進められません。したがって、自分で引越しをするのにかかる時間は、引越し業者に頼む場合の数倍の時間を想定しておきましょう。
引越し作業は荷造りのほかに、「搬出前作業」、「搬入前作業」、「搬出」、「搬入」、「掃除」、「移動」、「片づけ」に分けられます。作業の流れを把握しやすくするために、各作業で大体の時間配分を算出しておきましょう。
「搬出前作業」と「搬入前作業」は、運搬時に傷がつきやすい通路などの部分をダンボールシートなどで保護する作業のことを指します。手伝ってくれる人が多い場合は旧居と新居の2班に分かれて作業を進めると、スムーズに引越しが行えます。
力を必要とする「搬出」と「搬入」を男性が行い、力を必要としない「掃除」と「片づけ」を女性に分担するとバランスの良い役割分担になります。なお、搬出後の「掃除」、新居への「移動」、新居での「搬入前作業」は同時に作業ができるため、各班の責任者を決めて連絡を適宜とりながら作業すると無駄な待ち時間が発生しません。
手伝ってくれる人がいない場合や少人数の場合は全員で同じ作業を行い、各工程の作業時間を短縮してトータルでかかる時間をおさえるようにしましょう。
組み立て家具を分解しまとめる
ベッドのような組み立て式の家具はなるべく分解してまとめましょう。運搬しやすくなるだけでなく、運送スペースをおさえられるため運搬回数の削減にもなります。引越し当日に慌てないよう、あらかじめ分解しておきましょう。
引越しで大型家具・家電を自分で運ぶ方法
搬出入を手伝ってくれる人手や運送手段が確保できるのであれば、大型家具・家電を自分で運ぶことも可能です。ただし、それぞれの家具・家電によって必要な準備や取扱い上の注意点があるため、ポイントを押さえておきましょう。大きく重量がある家具・家電を運ぶ際には、安全を保つために、より一層の注意が必要です。
冷蔵庫
冷蔵庫の運搬で特に注意すべきなのが、事前の水抜き作業と運搬の向きです。まず、運搬中に冷蔵庫内の霜や氷が融けて水漏れしないよう、引越し前日までに中身を空にしたうえで電源を抜いて水抜き作業を行いましょう。なお、冷蔵庫を横にした状態で長時間運搬すると、配管がダメージを受けたり冷却装置が故障する原因となったりするため、縦置きにした状態で運搬します。また、運搬中にドアが開かないよう、布テープでしっかり固定しておきましょう。強度がありノリが残らない専用の養生テープがおすすめです。運搬中にドアや引き出しが開くと、部屋を傷つけたり冷蔵庫が故障したりする危険性があります。
洗濯機
洗濯機は事前に給水ホースと排水ホースの2箇所で水抜きをする必要があります。まずは水道の蛇口を締めた状態で10秒程度空回しをして、給水ホースを外して中の水を抜きます。続いて、脱水モードを短時間回して本体から水を取り除き、最後に排水ホースを外して残った水を抜きます。運搬の際は、外した給水ホース・排水ホースなどの部品がバラバラにならないよう、洗濯槽の中にまとめて入れておきましょう。
洗濯機を自分で設置方法や注意点についてはこちらの記事でご紹介します。
エアコン
エアコンは運搬を自分で行う場合であっても、取り外し・取り付けは工事に関する知識や専用の工具が必要になるため、専門業者に依頼することをおすすめします。費用としては、取り外し・取り付けをあわせて約10,000~20,000円程度が相場です。運搬の際は、カビの繁殖をおさえるために、風通しを確保できる状態で梱包しましょう。また、室外機は小型のものであっても30kg程度の重量があるため、ケガや事故に注意が必要です。さらに、冷蔵庫と同じ理由で、横倒しの状態での運搬は避けましょう。
仏壇
引越しで仏壇を移動する際、宗派によって呼び方は異なりますが、「閉眼供養」「魂抜き」などの供養が必要です。仏壇はご本尊が安置されている神聖なものであり、引越し作業中にご本尊が動くと仏様の居心地が悪くなるため、一度仏壇から出ていただくという意味があります。供養は、菩提寺がある場合はそちらの住職にお願いし、わからない場合は仏壇専門店などに提携しているお寺を紹介してもらいましょう。供養の際は、お布施として10,000〜30,000円程度必要です。自分で運搬する際は、仏具の配置を再現できるようあらかじめ写真を撮っておく、破損を防ぐため縦置きで固定する、などの注意が必要です。
引越し業者へ依頼した方がおすすめの場合
引越し作業は自力でも可能ですが、場合によっては自力で引っ越さず引越し業者を利用すべきこともあります。無理に自力で引っ越そうとすると、怪我やトラブルが発生する恐れもあるため注意しましょう。ここでは引越し業者に依頼すべき主なパターンをご紹介します。
マンションの管理規約で禁止されている
自力での引越しは運搬時に建物に傷をつけたり、運搬時に人を怪我させたりするリスクが高まるため、マンションなどの物件によってはそもそも自力での引越しが禁止されている場合もあります。また、禁止されていなかったとしても、エレベーターなどの共用部分を使うことで他の住人に迷惑をかける可能性があるため、事前に申請する必要がある場合もあります。
大型家具・家電が多い
タンス・冷蔵庫・洗濯機など、大型家具・家電が多い家庭では自力での引越しを避けるべきでしょう。大きな荷物は、旧居からの搬出にはじまり、車に積んでからの移動、新居への搬入など、どの工程をとっても難易度が高く、作業者に大きな負担がかかります。また、荷物総量が多くなることで、引越しの所要時間も長くなりがちです。さらに、運搬中に壁や床などにぶつけて家を傷つけたり荷物を壊したりする可能性もあり、トラブルを避けるためにもできるだけ専門業者に依頼すべきでしょう。
人手を確保できない
引越し作業を手伝ってくれる人員確保ができない場合にも、自力での引越しはおすすめしません。大小さまざまな荷物を運ぶ引越しは、少人数で行おうとすると予想以上に時間がかかります。一人あたりの運搬量が増えることで、作業が進むにつれ疲れがたまり、怪我やミスをする可能性も高まるでしょう。また、そもそも大きな荷物は一人での運搬が困難なものもあります。そのため、引越し荷物に大型家具が含まれる場合は、たとえ荷物の量が少なくても、複数人での引越しを前提に予定を立てる必要があります。
養生ができない
引越し業者に依頼すれば当たり前のように実施してもらえる養生ですが、いざ素人が行うとなかなか難しいものです。しかし、実際の引越し作業ばかりを重視して養生を十分にしておかないと、せっかくの新居に初日から傷をつける可能性があります。また、仮に傷をつけたのが自分以外の人だった場合、せっかく手伝ってくれた人との関係がこじれる可能性があります。
自分で運ぶ以外に引越し料金を安く済ませる方法
自分で荷物を運ぶ以外では、引越し業者へ依頼する方法があります。料金はかかりますが、工夫次第で安くおさえられるでしょう。引越し料金を安く済ませるには、以下のような方法が効果的です。
- 複数の見積もりを取る
複数の引越し業者からの相見積もりを取り、料金を比較してみましょう。料金相場を把握したうえで値引き交渉することで、より安い引越し業者に依頼できるかもしれません。一括見積もりサービスを利用する方法もありますが、複数の業者から営業の電話やメールが大量に届くデメリットもあります。
- 見積もりのために訪問してもらう
自己申告ではなく、実際に自宅に来てもらい現地で荷物を見てもらうことで、正確な見積もり料金の提示が可能です。荷物量に適した車両や作業人数が割り当てられるため、作業が始まってから追加料金が発生するのを防止できます。
- 不用品を処分する
荷物を減らして引越し料金を節約するためには、引越しの前にどれだけ荷物を減らせるかがポイントです。不用品は、使えるものは譲るかリサイクル業者に買い取ってもらう、使えないものは適切な方法で早めに処分しておきましょう。引越しのタイミングで買い替える予定がある家具・家電などは、引越し前に処分するのがおすすめです。
- 荷造りや梱包を自分で行う
引越し業者に依頼する場合、運搬以外に荷造りや荷解きを行ってくれるプランもあります。しかし、その分の人件費の実費がかかってしまいます。荷造りや荷解き、ダンボールに入らない大型家具・家電の梱包を自分で行えば安く済ませられます。荷物は使わないものから順に詰めていくと、引越し前の生活にも支障が出ないでしょう。
- 帰り便や混載便を利用する
引越しトラックをチャーターするよりも、ほかの引越し荷物を卸したあとの帰り便や、同じ方面への荷物をまとめて積み込む混載便などが利用できれば運賃が節約できます。通常の引越しよりも料金が安くなるため、見積もりをとる際に相談してみましょう。
- コンテナ便を利用する
長距離の引越しでは、トラックで高速道路を走行するよりも、貨物列車で輸送できるコンテナ便がお得です。ただし、直送のトラック便と比べて、荷物到着までの日数がかかります。引越しの日程に余裕のある人に向いている方法です。
- フリー便や午後便を利用する
なるべく早い時間帯に引越しを済ませて、引越し先で落ち着いて新生活が送れるように、早めに準備を整えたいと考える人が多いものです。そのため、引越しの作業開始を朝一番で予約する人が多く、午前中はほかの時間帯よりも料金は高くなります。それに比べて、フリー便や午後便は、作業開始や終了時間が不確定な点がデメリットではありますが、料金が安くおさえられます。
- 繁忙期を避ける
3月から4月の引越し繁忙期は、年間のうち引越し料金が最も高騰する時期です。少しでも安く引越ししたいなら繁忙期が落ち着き出す4月中旬以降の通常期に引越しをするのがおすすめです。引越し時期をずらせる場合は、検討してみましょう。
まとめ
この記事では自分で引越しをする場合のメリット、デメリット、注意点を解説しました。自分で引越しをする場合は、プライバシーが守られて自分の都合にあわせたスケジュールで引越せ、費用も安くおさえられます。しかし、その分注意が必要なこともあります。この記事を参考にメリット、デメリットを考慮して、引越しを自分でスムーズに行いましょう。
札幌、仙台、首都圏、近畿、東海、福岡エリアに在住の単身者の方で、電話なしで、かつ引越し業者とのやり取りを極力少なくしたい方には当サイトが提供する定額引越しサービスの「単身引越しナビ」がおすすめです。
荷物の制限は2トンのショートトラックに載せられるだけなので料金体系も非常にわかりやすく、見積もりの時間が削減できるようになっています。 大型家具・家電があっても、既定のサイズに収まるのであれば料金は変わりません。信頼できる数多くの提携事業者がいるから希望日でのお引越しが可能です。 また電話対応は単身引越しナビかマッチングした引越し業者だけなので安心して利用できます。しつこい営業電話も、訪問見積もりもないので、じっくりと引越し準備を進められるでしょう。
こちらから電話することはなく、ネットから申し込んだら、マッチングできるまで待っていればOK。申込み手続きもネットで完結します。 引越し業者が見つかったら、あとは当日までに梱包を済ませるだけです。梱包で使うダンボールも20枚ついてくるので、梱包資材の調達は必要ありません。 時間のない人、できるだけ手間を少なくして引越ししたい人は、ぜひ利用してみてください。