目次

- 引越しにかかる費用は、荷物の量や移動距離に応じて違います
- 引越し料金は、いくつかの工夫をすることで節約することができます
- 引越し費用の節約ばかりに目を向けるのではなく、引越し業者を慎重に検討する必要もあります
引越しにかかる料金は、決して安いものではありません。場合によっては十数万円を越えてしまうこともあるものの、プロの手がないと引越しが難しいのも事実です。しかし、あることに気を付ければ、引越し費用を節約できるかもしれません。少しでも安く引越しを完了させたいのであれば、覚えておいて損はないでしょう。
今回は、引越しに必要な料金の相場と具体的な節約方法について解説します。意外な方法で引越し料金を節約できるかもしれません。ぜひ参考にしてください。
引越しにかかる料金相場

引越しにかかる料金は人数や荷物の量、移動距離などの要素によって変わります。では具体的にはいくらほどになるのでしょうか。人数と距離別で、引越し料金の相場をまとめてみました。
あくまでも相場ですので、最終的な引越し料金は引越し業者に見積もりを依頼して出してもらうようにしてください。
一人暮らしの引越し料金の相場
一人暮らしの引越しでは、荷物の量や引越しの距離によって相場が変動します。荷物が少なければ、そのぶん引越し業者が手配するトラックや作業員の人数が削減できるため、金額は安くなります。一方で、ソファやベッドなどの大型家具があったり、荷物が多かったりすると料金は高くなるのです。
また、同じ引越しでも距離や時期に応じても料金に差がでます。距離が遠ければ一人暮らしでも10万円を越えてしまう場合も珍しくありません。時期によっては通常時よりも引越し料金が高額になっているケースもあるため、時期の調整ができるのであれば、通常期に引越しすることをおすすめします。
■繁忙期(3~4月)
市内(15km未満) | 県内(50km未満) | 県外(500km未満) | 500km以上 | |
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引越し荷物少なめ | 約39,259円 | 約45,822円 | 約54,620円 | 約67,202円 |
引越し荷物多め | 約52,975円 | 約58,198円 | 約71,510円 | 約111,650円 |
■通常期(2〜5月)
市内(15km未満) | 県内(50km未満) | 県外(500km未満) | 500km以上 | |
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引越し荷物少なめ | 約34,376円 | 約36,049円 | 約42,068円 | 約61,483円 |
引越し荷物多め | 約45,379円 | 約48,860円 | 約60,758円 | 約96,128円 |
同じ荷物の量でも、引越しの距離によっては2倍近い料金の差が生じることもあります。また、繁忙期と通常期を比較すると、最大で1.5万円ほど安くなる場合も。いかに単身で荷物が少ないといっても、時期や距離によって引越し料金が高額になってしまう可能性があることを覚えておきましょう。
ファミリーの引越し料金の相場
ファミリーの引越しでは、さらに金額が高くなります。家族の人数によって変動しますが、これは人数が多い=荷物が多いと判断されるためです。実際の荷物の量によっては、下記の表よりもリーズナブルになる可能性もあります。
ファミリーでの引越しの場合も、距離と引越し時期によって料金が変動します。一人暮らしの引越し同様、時期をずらすことができるのであれば、繁忙期を避けて引越しをすると節約になるかもしれません。
■二人暮らし
市内(15km未満) | 県内(50km未満) | 県外(500km未満) | 500km以上 | |
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繁忙期 | 約86,800円 | 約99,200円 | 約203,600円 | 約274,000円 |
通常期 | 約61,800円 | 約72,500円 | 約141,600円 | 約179,100円 |
■三人暮らし
市内(15km未満) | 県内(50km未満) | 県外(500km未満) | 500km以上 | |
---|---|---|---|---|
繁忙期 | 約106,400円 | 約131,000円 | 約281,600円 | 約351,900円 |
通常期 | 約73,500円 | 約96,100円 | 約195,600円 | 約280,000円 |
■四人暮らし
市内(15km未満) | 県内(50km未満) | 県外(500km未満) | 500km以上 | |
---|---|---|---|---|
繁忙期 | 約117,500円 | 約141,500円 | 約307,500円 | 約376,300円 |
通常期 | 約78,400円 | 約110,800円 | 約201,200円 | 約303,900円 |
■五人暮らし
市内(15km未満) | 県内(50km未満) | 県外(500km未満) | 500km以上 | |
---|---|---|---|---|
繁忙期 | 約147,300円 | 約197,300円 | 約430,700円 | 約507,900円 |
通常期 | 約97,700円 | 約156,100円 | 約272,600円 | 約398,800円 |
時期や家族の人数にもよりますが、下限は6万円台であるのに対し、場合によっては50万円以上になってしまう場合もあります。後述しますが、引越しの料金を節約するためには、引越しで行う作業を一部依頼主側が行うと良いでしょう。また、持っていかない家具や荷物を引越し前に処分することで、引越し料金の削減に繋がる可能性があります。
引越し料金を節約するコツ

見積もりを正式に依頼しなければ最終的な料金はわからないものの、節約するコツがあれば早めに手を打っておきたいという人も少なくありません。引越し料金を節約するには、具体的に以下のアクションを起こすと良いでしょう。
【引越し料金を自分で節約するコツ】
- 荷物量を減らす
- 自分で引越しする
- できる限り部屋を原状回復する
- 繁忙期を避ける
- 複数の業者に見積もりをとる
- 単身パックを活用する
- フリー便を活用する
- 混載便を活用する
- 月末月初を避ける
- 土日祝日を避ける
- 訪問見積もり時に値引き交渉する
同時に使えるアクションもあれば、それ単体でしか使用できない方法もあります。しかし、うまく組み合わせることができれば、引越し料金の大幅な節約が見込めるでしょう。
荷物量を減らす
引越しの料金が決定される大きな要素は、距離と荷物の量です。当然ですが引越しの距離は変更できないため、節約のためには荷物の量を減らしてしまうのが有効です。荷物が少ないと必要なトラックの台数や往復回数をおさえることができるほか、スタッフの人数を最小限にできます。荷造りの段階で不要なものは処分してしまうと良いでしょう。
荷物が少なくなることで、荷造りと荷解きの手間と労力が大幅に削減できるのも特徴です。ダンボールに荷物を詰める作業は、引越し準備のなかでもかなり面倒な作業になるでしょう。当然、荷物が少なくなればダンボールに梱包する時間は少なくなりますし、荷解きに時間をかけずに済みます。何よりも荷解き後の整理整頓も非常に楽になるため、節約とあわせて荷物の整理もしてしまいましょう。
自分で引越しする
引越し業者を利用しないで、自力で引越しすることで費用の節約ができます。特に繁忙期は引越しの需要が高まる時期でもあるため、どうしても料金が高額になりがちです。また、料金とは別に、希望した引越し日に引越しができない可能性もあります。しかし、自力で引越しをすればこれらの負担や調整の手間を大幅に減らすことができるのです。
とりわけ自分のスケジュールで引越しができるメリットは大きく、引越し業者のスケジュールに振り回されずに済みます。引越しまでの時間がない場合は、ぜひとも活用したい方法です。しかし、自力で引越しをする場合、荷物の取り扱いに十分注意が必要です。運搬中に荷物が故障するだけでなく、自分がケガをするリスクもあります。また洗濯機の設置で水漏れを起こしてしまうなど自分で引越しをする場合は気をつけるべき点が多くあります。また、引越し業者に依頼しない分、自力でトラックや人員の手配をしなければなりません。節約にはなれど、一定の費用が必要になることを忘れないようにしましょう。
できる限り原状回復費用を抑える
賃貸の場合、退去前にしっかり部屋の掃除を行い可能な限り入居当初の状態にすることで、引越しにかかわる料金を軽減できる可能性があります。引越し料金が直接安くなるわけではありませんが、部屋の掃除などを可能な範囲でしておくことで、本来支払うはずだった原状回復費を抑えることができるかもしれません。場合によっては敷金の一部が返ってくることもあります。
原状回復しているかどうかの判断は、退去の際に大家さんや管理会社などがチェックを行って決定します。よほどのことがない限り、敷金で原状回復費を賄えるでしょう。ちなみに、自然損耗による劣化や痛みは貸主負担です。借主が生活する過程で発生した不具合に対しては、掃除や修繕などで元に戻しておくことをおすすめします。
繁忙期を避ける
引越し料金の節約で欠かせないのが、繁忙期を避けることです。引越し業界における繁忙期は毎年2~4月、一般的に新生活が始まる時期に設定されています。それ以外の時期は通常期と呼ばれ、繁忙期と比較すると引越し料金が安くなっているのです。
先に紹介した一覧表で比較するとわかりますが、繁忙期と通常期の料金には約2倍の差があります。もし引越し時期をずらすことができるのであれば、通常期に引越しができるようにスケジュール調整すると良いでしょう。
複数の業者に見積もりをとる
引越しの見積もりは、1社からではなく複数の業者からの見積もりをとりましょう。これを相見積もりと呼び、一括見積もりサイトなどを使用して依頼するのがおすすめです。一括見積もりサイト経由で見積もり依頼を出すと、他社と比較されていることがわかるため、通常よりも料金を安くできる可能性があります。
ただし、相見積もりをとると依頼した業者からの営業電話やメールが殺到するかもしれません。引越しの最終的な見積もりは、実際に訪問見積もりを依頼しなければ判断できない引越し業者がほとんどです。見積もり業者を指定できる一括見積もりサイトを使用するなど、工夫をすれば営業電話の数を削減できるかもしれません。
当サイトが提供する定額引越しサービスの「単身引越しナビ」もおすすめします。利用者の希望を満たす1社とマッチング、複数の業者からしつこい営業電話が来ることはありません。
引越し費用の相場がわからず、できるだけ安く引越しをしたいけれど、複数の業者からの営業電話を避けたい人は「単身引越しナビ」を、ぜひ活用しましょう。
引越し見積もりサイトに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
単身パックを活用する
「単身パック」とは、コンテナボックスというカゴ型の台車に載せられる荷物であれば、料金が比較的安くなるというパッケージのことです。コンテナボックスの大きさは引越し業者によって異なりますが、おおむね高さ130~150cmの「Sサイズ」と150cm以上の「Lサイズ」の2種類です。「単身」とついていますが、コンテナボックスに載り切る量であれば二人暮らしでも利用できます。
また、料金だけではなく手続きが簡単なのも単身パックのメリットです。最初から積載できる荷物の量が指定されているため、見積もりが不要でインターネットからの申込みができます。荷物の搬入出は引越し業者がおこなってくれるため、車を準備して自力で引越しするよりも安上がりになる可能性もあります。
フリー便を活用する
「フリー便」とはその名のとおり、時間帯の指定がない状態で引越しを予約し、当日に作業してもらうことを言います。一般的に引越しは午前中に人気が集中する傾向にあり、料金が高くなります。しかし、午後の便で依頼したりフリー便を利用したりすると、引越し作業自体は遅くなるものの費用面では大きく得する可能性があるのです。
ただし、午後の引越しやフリー便は、午前中の作業が終わってから作業開始になります。その関係で予想外に引越しの開始時間が遅れるかもしれません。フリー便で引越しをする場合は、終日スケジュールを空けておくことをおすすめします。
混載便を活用する
「混載便」とは、1台のトラックに複数の利用者の荷物をまとめて載せるサービスのことです。トラックを貸し切って搬入出をしてもらう通常の引越しとは異なり、いわゆる荷物の相乗りになるため、料金が安くなる特徴があります。荷物が少ない一人暮らしなどにおすすめです。
しかし、荷物の大きさや量に制限がかかっている場合があります。また、混載便にすることでほかの利用者の荷物と一緒に運ばれるため、荷造りをしっかりしておく必要があるのはもちろん、ダンボールに名前を書いておくのを忘れないようにしましょう。
月末月初を避ける
月末・月初は引越し業者が忙しい時期にあたるため、引越し料金が高くなりがちです。理由は毎月1日に入社や転勤がバッティングするためです。必然的にその時期の引越し業者は忙しくなってしまうため、料金が割高になってしまいます。そのため、引越し料金を節約するには月末・月初を避けたほうが良いでしょう。
また、家賃に日割り計算が適用されない賃貸に住んでいる人も、月末に引越しを予定する場合も少なくありません。以上の理由から月末・月初は引越し業者が忙しくなって予約が取りづらくなるのはもちろんのこと、料金も割高になる可能性が高くなるため、調整できるのであれば見合わせたほうが良いでしょう。
土日・祝日を避ける
土日祝日を避けるのも、引越し料金の節約には有効な方法です。引越しは1日仕事になるため、土日や祝日といった仕事や学校が休みの人からの需要があります。土日・祝日を避けて平日に引越しの予定をずらせるのであれば、節約のために避けるのをおすすめします。
どうしても土日・祝日しか時間が取れない場合は、先に説明したフリー便や混載便を利用すれば少し料金をおさえることができるでしょう。もし、平日にこれらの方法を組み合わせられれば、さらに引越し料金を節約できます。時間や日程に余裕があれば、あわせて利用したい組み合わせです。
訪問見積もり時に値引き交渉する
訪問見積もり時に値引き交渉すると、引越し料金節約に繋がるかもしれません。訪問見積もりは、引越しの料金が正式に決まると言っても過言ではない重要なやり取りです。このときに見積もりに来た営業担当に値引きができないかを伝えてみましょう。
注意したいのは、営業担当側から「今決めていただければ〇万円お値引きします」と即決を求められることです。相場と比較してもそれほど安くなっていないかもしれないため、即決は控えましょう。また、目先にお得さだけで選ぶのではなく、営業担当の雰囲気や人柄を見て決めることも重要です。
料金以外も大事!引越し業者を選ぶ際のポイント

大きな出費である引越し。引越し料金に目が行ってしまうのはある意味仕方がありませんが、料金だけで引越し業者を選ぶのはあまりおすすめしません。引越し業者を選ぶ際には、以下の3点にも注目し、総合的に判断しましょう。
【引越し業者を選ぶ際のポイント】
- 引越し業者の種類
- 評判
- オプションサービスの充実度
引越し業者の種類
引越し業者には、全国展開している大手引越し業者と、近距離~長距離引越しに対応した中小引越し業者の2種類があります。名前が通っている引越し業者ほど安心できるという意見もありますが、一概にそうとも言い切れません。大手と中小それぞれのメリット・デメリットは次のとおりです。
【大手引越し業者の特徴】
- 実績豊富で安心して任せられる
- オプションサービスが豊富
- 引越し料金が中小引越し業者と比較すると高額になりがち
【中小引越し業者の特徴】
- 少数精鋭でスタッフが丁寧な場合が多い
- 大手引越し業者よりも料金が安いことがある
- 長距離引越しを苦手・対象外としている場合もある
引越し業者をうまく使い分けると、節約になる可能性もあります。たとえば県内への比較的短距離の引越しをする場合、大手引越し業者よりも中小引越し業者のほうが安価になる場合もあるでしょう。反面、オプションサービスでは劣ってしまうかもしれません。両者をじっくり検討してみることをおすすめします。
評判
引越し業者を選ぶうえで大事なのが評判や口コミです。公式サイトで掲載されている「利用者の声」だけではなく、口コミサイトや一括見積もりサイトに寄せられた口コミも参考にしましょう。無理に探す必要はありませんが、あたりが悪いと荷物を雑に扱われる可能性もあるため、ひととおり評判には目を通しておくことをおすすめします。
また、選ぶ基準として「引越安心マーク」を取得しているかどうかで判断しても良いでしょう。全日本トラック協会が定めている、優良事業者のみに与えられるマークのことで、仕事が丁寧であることの証明でもあります。気になる引越し業者の公式サイトを確認してみましょう。
オプションサービスの充実度
オプションサービスがそろっているかも、引越し業者選びのコツです。不要なものもあるかもしれませんが、オプションサービスが充実していると、相談できる内容が広がります。別途料金も発生するため、利用するかどうかはその人次第ですが、比較検討の材料にしても良いでしょう。代表的なオプションサービスは次のとおりです。
【オプションサービスの例】
- ペット輸送
- エアコンの取り外し・取り付け
- 不用品回収 など
これ以外にも多くのオプションサービスが展開されています。引越し業者とは別で依頼することもできますが、申込みの手間ややり取りの労力を考えると、引越し業者一つで完結できる方がありがたい人もいるでしょう。オプションサービスにもしっかり目を向けることをおすすめします。
まとめ
引越し料金は、決して安いものではありません。節約できるのであれば節約するに越したことはありませんし、節約するためのコツがあることも確かです。しかし、料金ばかりに目が行き過ぎて、満足できない作業をされないように、引越し業者を慎重に比較・検討することをおすすめします。本記事を参考に、節約できそうな部分は節約しつつ、自身の希望にあった引越し業者を見つけましょう。