
- マンションに引越しする際は「引越し前」「引越し当日」「引越し後」に何を行うかを把握しておくことがポイントです
- 引越しが決まったら早めに「引越しの手配」や「旧居の解約手続き」を行いましょう
- 引越し当日には「旧居の清掃」「新居の点検」「新居の近隣への挨拶」などやることがさまざまあります
これからマンションへの引越しを予定している方のなかには、「何をどのような手順で準備すれば良いのかわからない」とお困りの場合もあるでしょう。マンションへの引越し時にはやるべきことがたくさんあるため、漏れのないように細かな計画を立てると安心です。
ここではマンションへの引越しの際にやることや注意事項、流れについてご紹介します。ぜひ参考にしながら準備を進めて、新居での生活をスムーズに迎えましょう。
マンションへの引越しでやることの流れ

まずは、マンションへの引越しに向けた準備の流れを押さえておきましょう。以下では「引越し前」「引越し当日」「引越し後」の3つのカテゴリに分け、主にやるべきことをピックアップしました。
引越し前にやるべきこと | ・引越しの手配 ・旧居の解約手続き ・カーテンの採寸・購入 ・粗大ごみの処分 ・転出届の提出 ・ライフラインやインターネットの解約とお申込み ・荷造り ・旧居の近隣への挨拶 |
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引越し当日にやるべきこと | ・旧居にてガス使用停止の立会い ・旧居の清掃 ・旧居の電気のブレーカーを落とす ・部屋の明け渡し ・新居の点検 ・新居にて電気のブレーカーを上げる ・新居にてガス開栓の立ち会い ・新居の近隣への挨拶 |
引越し後にやるべきこと | ・転居届・転入届の提出 ・各種住所変更 |
上記のように、マンションへの引越し時にはさまざまな準備や手続きが必要です。やるべきことを忘れて後々困ることがないように、しっかりと確認しておきましょう。
マンションへの引越しの準備はいつから始める?
マンションへの引越し準備は1~2ヶ月前に始めることをおすすめします。「そんなに早くから始めるの?」と思う方もいるかもしれませんが、準備や手続きのなかには時間がかかるものもあるため、可能な限り早めに始める方が安心です。
特に早めに行いたい手続きとしては、例えば旧居の解約手続きが挙げられます。旧居が賃貸の場合「退去予定日の1ヶ月前まで」に申告するケースが一般的で、それを過ぎると希望日に退去できない場合もあるため注意しましょう。
また、粗大ごみの処分に関しても、方法によっては時間がかかる場合もあります。特に自治体へ回収を依頼する場合は回収日が指定されているケースが多いので、引越し前に回収してもらえるよう早めに手配を行うことが大切です。後回しにすると引越し当日までに処分できない場合があるため、引越しが決まったら早めに不用品処分を進めていきましょう。
マンションへの引越し前にやること
ここから先は、「引越し前」「引越し当日」「引越し後」の3つのカテゴリ別に、各準備や手続きの概要を解説します。まずは「引越し前」にやるべき主な内容を確認していきましょう。
引越しの手配
新居が決定したら、まずは引越し日の決定と引越し業者の手配を行います。引越し繁忙期とされる3月中旬~4月上旬頃に引越しを予定している場合は、希望日に予約をとれない場合もあるため早めに手配しましょう。
引越しの時期についてはこちらの記事をご覧ください。
旧居の解約手続き
旧居の退去予告は、「退去予定日より1ヶ月前まで」に行うように定められているケースが一般的です。管理会社や大家さんに解約方法を確認し、所定の手順で手続きを進めましょう。
退去時のポイントについてはこちらの記事をご覧ください。
カーテンの採寸・購入
新居に合ったカーテンを用意しておくことも、マンションへの引越しにおいて重要な準備の一つです。マンションによって窓の大きさは異なるため、旧居で使用していたカーテンは新居の窓に合わない場合もあります。内覧時に新居の窓のサイズを採寸し、引越し当日までに適したカーテンを購入しておきましょう。
粗大ごみの処分
家具や家電といった粗大ごみの処分には、以下のようにさまざまな方法があります。
- 自治体に回収してもらう
- 不用品回収業者に引き取ってもらう
- 引越し業者に依頼する
- リサイクルショップで買い取ってもらう
なお、エアコンやテレビ、冷蔵庫、洗濯機などの特定家電は「家電リサイクル法」によってリサイクルが義務付けられているため注意が必要です。お住まいの自治体や購入した店舗に回収方法を確認し、適切な方法で処分しましょう。
粗大ごみについてはこちらの記事をご覧ください。
転出届の提出
旧居とは別の市区町村に引っ越す場合は、旧居管轄の役所にて「転出届」を提出する必要があります。なお、同一の市区町村内にて引っ越す場合は「転出届」の提出は必要なく、転居後に「転居届」を提出すれば問題ありません。
ライフラインやインターネットの解約とお申込み
電気・水道・ガスといったライフラインやインターネットの解約手続きも忘れずに行いましょう。特にインターネットは開通までに時間がかかる場合もあるため、引越し後スムーズに利用できるように早めに手続きすることをおすすめします。
荷造り
荷造りの際は、普段使わないものから優先的に梱包することがポイントです。梱包の際は部屋ごとに分けてダンボールに入れ、ダンボールには「運び先」と「品名」を記載しておくと当日の搬入作業をスムーズに進められます。
旧居の近隣への挨拶
旧居の近隣には、必ず引越しの挨拶を行いましょう。挨拶時にはこれまでお世話になったことへの感謝と、引越し当日にお騒がせすることへのお詫びを伝えます。
引越し日の決め方
上記の「引越しの手配」のうち引越し日の決定方法は、引越し先が新築マンションなのか、それとも中古マンションなのかで異なるため注意しましょう。
新築マンションの場合
これから完成する新築マンションの場合は、入居者が同時期に引越しを行う「一斉入居」が一般的です。同じ日時に複数世帯が引越し作業を行うと、車寄せや通路・階段など搬入経路が混み合うため、あらかじめ引越し希望日のアンケート調査が行われます。希望日時が重なると抽選によって調整されます。
中古マンションの場合
中古マンションの場合は、これから完成する新築マンションとは異なりほかの住戸との引越し日調整は必要ありません。希望日を伝え、不動産業者と相談のうえで決定しましょう。
マンションへの引越し当日にやること

続いて、マンションへの引越し当日に行う主な内容は以下のとおりです。
旧居にてガス閉栓の立会い
住人の立ち会いなしでガスの閉栓(使用停止手続き)が可能な場合もありますが、物件によっては立ち会いが必要です。まずは業者に問い合わせをし、立ち会いが必要であれば予約をしておきましょう。
旧居の清掃
荷物の搬出が終わったら、退出前に旧居の清掃を行います。もしも経年劣化を超えるほどの汚れや傷、破損がみられる場合は修繕費用やクリーニング費用を請求される場合もあります。
旧居の電気のブレーカーを落とす
電気のブレーカーを落とすことも、引越し当日にやるべき大切な作業です。アンペアブレーカーのつまみを落として「切」にすれば作業は完了です。
部屋の明け渡し
旧居が賃貸物件の場合は、鍵を返却して部屋を明け渡します。このとき、不動産管理業者や大家さんと一緒に汚れや破損箇所を確認し、敷金の清算が行われます。
新居の点検
新居に到着したら、まずは一つ一つの部屋を点検しましょう。傷や汚れがないか、設備に不具合はないかなどを確認し、気になる箇所がある場合は不動産業者に連絡します。
新居にて電気のブレーカーを上げる
電気のブレーカーを上げることも忘れないようにしましょう。分電盤のアンペアブレーカーのつまみを「入」にし、次に漏電遮断器(漏電ブレーカー)と配線用遮断器(安全ブレーカー)のつまみを「入」にすると電気を使えるようになります。
新居にてガス開栓の立ち会い
ガスの開栓には、ガス業者の立ち会いが必要です。予約しておいた時間にガス業者の作業員が到着したら、問題なく使用できるかどうかの確認を行います。
新居の近隣への挨拶
新居の近隣への挨拶も、できれば引越し当日に行うとよいでしょう。特に子どものいる家庭は今後迷惑をかけるリスクがあることを想定し、きちんと挨拶に出向くことをおすすめします。
マンションへの引越し後にやること
次に、マンションへの引越し後に行う主な作業をご紹介します。
転居届・転入届の提出
旧居と同じ市区町村に引っ越した場合は、管轄の役所に「転居届」を提出します。一方、旧居とは異なる市区町村に引っ越した場合には、新居管轄の役所に「転入届」を提出します。どちらも「転居後14日以内」と期限が定められているため、忘れずに手続きしましょう。
各種住所変更
引越し後には、住所が変わった旨をさまざまな箇所へ届け出る必要があります。住所変更が必要なものを以下にご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 国民健康保険や国民年金
- マイナンバーカード
- 携帯電話
- 運転免許証やパスポート
- 自動車・バイク・車庫証明書など
- 児童手当
- ペット(犬とワニやタカ、トラなどの特定動物)
- 銀行
- クレジットカード など
マンションへの引越しでの注意事項
最後に、マンションへの引越しで特に注意したいポイントをまとめました。
引越しの挨拶は上下階にも行う
マンションの場合は顔を合わせやすい「両隣」はもちろん、「真上・真下」にも挨拶を行いましょう。上下階は生活音が響きやすく今後迷惑をかけることも想定されるため、きちんと挨拶をして良好な関係を築いておくことが大切です。
設備関連の確認を行う
マンションに引っ越す際には必ず設備関連の確認を行いましょう。特にインターネット設備に関しては物件ごとに状況が異なるため、あらかじめ問い合わせておく必要があります。
状況別に必要な対応を以下にご紹介するので、ご自身の場合に必要な手続きをご確認ください。
新居のインターネット状況 | 必要な対応 |
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賃貸契約の中にインターネット利用料が含まれている | なし |
マンション内で共有の回線設備はあるものの、 各戸には引き込まれていない |
インターネット回線にお申込みを行い、 開通工事に立ち会う |
マンション内で共有の回線設備があり、 各戸まで光ケーブルが伸びている |
インターネット回線へのお申込みが必要だが、 工事に立ち会う必要はない |
回線設備がまったくない | インターネット設備の導入を管理業者に相談し、 お申込み手続きへと進む |
エレベーター関連のトラブルに注意する
引越し先がマンションの場合は、エレベーター関連のトラブルにも注意が必要です。例えばエレベーターが1台のみの場合、搬入時間がほかの住戸の引越しと被ることで作業に支障が出る場合もあります。また通勤時間の引越しのは近隣住民に迷惑をかけるので、避けることをおすすめします。
マンションで定期的に行われている「エレベーター点検」にも要注意で、時間帯が被るとエレベーターにて搬入作業ができず、やむなく階段を利用しなければなりません。これらのような事態を回避してスムーズに搬入作業を進められるように、事前にマンションの管理業者に確認しておくことが大切です。
タワーマンションは注意が必要
引越し先がタワーマンションの場合は、引越しに伴う細かなルールが定められているケースが多いため注意しましょう。特に引越しトラックの駐車場や荷物の搬入口、搬入に利用可能なエレベーターが決まっており、ルールに従って引越し作業を進めることが求められます。
なお、引越し業者によってはタワーマンションへの対応は不可としているところもあります。仮に対応可としているところでも引越し料金が予想以上に高額になる場合もあるため、必ず見積りを依頼して慎重に業者選びを行いましょう。
まとめ
マンションへの引越しをスムーズに行うためには、まずは「引越し前」「引越し当日」「引越し後」にやるべきことを把握するのが大切です。特に挨拶の範囲や設備関連の確認、引越し当日のエレベーター状況などに注意して、着実に準備を進めていきましょう。