目次
- 引越し当日に荷造りが終わらないと搬出作業を行う事ができなかったり追加料金が発生したりする場合があります
- 荷造りが終わらないとわかった時点ですぐに引越し業者に相談するのが大切です
- 荷造りが終わらなかった場合は前日までに最低限の準備だけ終わらせて残りの荷物はレンタカーや宅配便を利用して運ぶ方法もあります
引越し当日までに荷造りは終わらせておきたい作業です。しかし、「荷物量が予想以上に多かった」「そもそも何から始めて良いのかわからない」など、さまざまな理由で引越し当日までに荷造りが終わらないという方もいるでしょう。この記事では、引越し当日までに荷造りが終わらなかった場合の対処法や、引越し前日にやるべきことについてご紹介します。
引越し当日に片付け・準備・荷造りが終わっていないとどうなる?
引越し当日までに引越しできる状態にしておかないと、引越し業者に迷惑をかけることがあります。さらに、当日に引越しができなくなったり、追加料金が発生したりする場合もあります。これらを避けるためにも、荷造りが終わらないとわかった時点で早めに引越し業者に相談しましょう。ここでは、引越し当日に準備などが終わらない場合にどうなるかをご紹介します。
引越しを断られる可能性がある
引越し業者は一般的に、国土交通省が定める「標準引越運送約款」にもとづいて依頼人と引越しに関する契約を結んでいます。約款では「引越し当日までに依頼人が荷造りをしておくこと」が義務付けられています。そのため、荷造りが終わっていない場合は契約違反となり、引越し業者から引越しを断られる可能性があります。当日の引越し料金は返金されず、後日再度の依頼の申し込みと料金の支払いが必要です。つまり、荷造りが終わらないと、引越しする日が遅れることに加え、一度の引越しに倍近い料金がかかります。
引越し業者によっては日程変更が可能な場合もありますが、同じ日に何件も引越し依頼が入っている繁忙期などは、依頼を断られる可能性が高いでしょう。
引越しができないという事態を避けるためにも、荷造りが終わらないとわかった時点で早めに引越し業者に相談するのが大切です。
梱包作業代を追加で請求される可能性がある
引越し業者のスケジュールに余裕がある場合は、梱包作業を依頼できることがあります。ただし、引越し業者が梱包サービスを請け負うことになるので、追加料金を請求される可能性があります。
一人暮らしの場合、引越し業者に梱包作業を依頼すると27,000~50,000円程度の追加料金が必要と言われています。なお、追加料金は荷物量や時期などによって異なるので依頼する引越し業者への確認が必要です。荷物の梱包作業には、「作業員を増員する」「ダンボールや緩衝材を用意する」など、さまざまな準備が必要です。そのため、梱包作業を依頼する場合も事前に引越し業者に連絡しておきましょう。
梱包サービスには特定の部屋のみ、食器棚のみなどの一部を梱包するサービスのほか、すべての荷物を梱包するものまで、さまざまなプランがあります。自力で荷造りをするのが不安な方は、梱包サービスを視野に入れた引越し業者選びをするのもおすすめです。
引越し当日に片付け・準備・荷造りが終わらない場合の対処法
当日までに引越し準備が終わらないが、再度引越し業者に依頼するのは避けたい場合、どのような対処をすれば良いのでしょうか。マイカーやレンタカーで運ぶ場合や、残りの荷物を宅配便で送る場合は、当日中に新居に荷物を搬入できない可能性が出ます。新居で困らないためにも、「必要な荷物」と「すぐに使わない荷物」の仕分けだけでも済ませておくことがポイントです。また、荷物を処分して減らすことも考慮して、捨てても問題ない荷物をピックアップしておくと良いでしょう。
残りの荷物をマイカーやレンタカーで運ぶ
大型の家具家電など自力で運べない荷物を引越し業者に任せ、残りの荷物をマイカーやレンタカーを使って自分で運ぶのも一つの方法です。マイカーやレンタカーで荷物を運ぶメリットとして、「引越し料金を安く済ませられる」「自分のペースで引っ越せる」などが挙げられます。一方、荷物が多い場合はある程度大きな車を選ぶ必要があるため、運転に不慣れな方にとってはデメリットとなるでしょう。また、誤って荷物を破損しても、保証がないため注意が必要です。
マイカーでは荷物を運びきれない場合、レンタカーを利用する方法があります。引越しにかかる時間は12時間程度かかるといわれています。12時間のレンタカー料金の相場は1万4,000円程度です。そのほか、冷蔵庫や洗濯機など大型の家具家電も自力で運ぶ場合は、友人や家族に手伝ってもらう方法もあります。その場合は3,000~5,000円程度の謝礼を用意しておきます。そのため、レンタカーを利用しながら友人などに手伝いを依頼する場合は、2万円程度の予算を立てておくと良いでしょう。
これに対し、単身引越しパックで引越し業者を利用する場合は、同一エリア内の移動で約1万2,000円~が相場です。引越し業者の場合、移動距離や荷物量によって料金が変動するため、レンタカーの方が安く済むことがあります。その点も考慮して、レンタカーで荷物を運ぶかを検討しましょう。
残りの荷物を宅配便で送る
大型の家具家電や大きい荷物、重い荷物などを引越し業者に任せて、残りの小さい荷物は宅配便で送る方法もあります。そのため、引越し業者に運んでもらう大型の家具家電の梱包だけでも終わらせておきましょう。
また、あらかじめ収納に入っている小物は、とりあえずダンボールにまとめて入れるとより早く荷造りできます。「荷物が重い」「たくさんある」場合は宅配業者に集配依頼をして取りに来てもらうと良いでしょう。
宅配便を使う際の注意点はこちらの記事でご紹介します。
捨ててもいいものは業者に処分してもらう
必要のないものは、思い切って処分しましょう。依頼する引越し業者に、事前に不用品の引き取りについて相談します。業者が不用品の回収を受け付けていれば、回収可能なものや、無料回収と有料回収のものなどの案内をしてもらえます。
そのほか、家族や友人に家具や家電を譲る方法もあります。また、粗大ごみとして自治体で処分する、リサイクルショップを利用するといった方法もおすすめです。荷物が少ない方が荷造りの負担が軽減されるだけでなく、引越し料金もおさえられます。
引越し前日に荷造りが終わらないと悟った時の対処法
引越し準備作業には最低でも5日間、一人暮らしの荷物量の目安はダンボール20個分程度と言われています。これはあくまでも目安なので、引越しに慣れていない方や荷物が多い場合はさらに日数やダンボール数が必要でしょう。何度も触れている通り、荷造りが終わらないことを分かった時点で、その旨を引越し業者に早く連絡するのがマナーです。とはいえ、「間に合うと思っていて前日に終わらなかった」ということもあります。その場合は自分でできる限りのことをしましょう。最も効果的な対処法は、とりあえず荷物を運べる状態にしておくことです。
分類を諦めて荷物をダンボールに詰め込む
荷造りの際は衣類や食器、本などを細かく分類しますが、時間に余裕がない場合は分類せずダンボールに荷物を詰め込みましょう。食器など割れそうなものだけ、新聞紙や布に包んで緩衝材を底に敷いたダンボールに詰めます。食器はやや手間がかかりますが、この作業を省くと引越し後に割れていて購入し直すことになるので優先的に済ませましょう。小物などの割れやすいものは洋服などで包むのも効率的です。
割れやすいものの梱包ができたら、あとは分類せずに荷物を詰め込みましょう。ダンボールに入りきらなかったり、間に合わなかったりする場合は、手提げバッグや紙袋、ゴミ袋などの持ち運べる袋に荷物を詰めるのもおすすめです。大切なのは持ち運びできるようにすることです。余裕がある場合は、すぐに使う物をどの箱に詰めたかわかるようにしておきましょう。
なお、分類せずに荷造りする際は、荷物が破損する恐れがあるため注意しましょう。また、新居での荷解きにも時間がかかります。そのため、引越し業者には荷造りが間に合わずに分類せずに詰めた旨を伝えておきましょう。運搬の際に荷物が破損する恐れがあるため、より慎重に運んでもらえる可能性があります。
引越し前日にやるべきことも忘れずに行う
引越し準備が間に合わなくても、冷蔵庫・洗濯機の水抜きや貴重品の整理だけは済ませておきましょう。必要最低限のことは行っておかないと、引越し業者を困らせます。
また、現金や預金通帳などの貴重品は自分で管理することも忘れてはいけません。紛失した場合は自己責任です。
冷蔵庫の水抜き
冷蔵庫はコンセントを抜くと、冷蔵庫内の霜が溶けて濡れた状態になります。この水が残っていると引越し作業中に漏れたり、故障に繋がったりする可能性があります。それらを防ぐためには、引越し前に冷蔵庫内の水を取り除く「水抜き」と呼ばれる作業が必要です。
まずは、冷蔵庫の中身を空にし、製氷機能を止めます。続いて、冷蔵庫の電源を切ってコンセントを抜きましょう。翌日、受け皿に溜まった水を捨て、冷蔵庫と冷凍庫の中の水気を十分にふき取って乾かします。作業が終わったら、電源コードを束ねておくと運びやすいです。
また、冷蔵庫とあわせて洗濯機の水抜きも済ませておきましょう。洗濯機は内部や排水ホースに水が溜まっているので、冷蔵庫と同様に漏れる可能性があります。多くの場合、脱水ボタンを押して脱水完了後、本体を傾けて排水ホース内に残った水を抜くだけで完了です。
冷蔵庫や洗濯機の詳しい水抜き方法は、説明書を確認しましょう。
貴重品の整理
標準引越運送約款によると、現金や有価証券、宝石貴金属、預金通帳、キャッシュカード、印鑑など依頼人が携帯できる貴重品は、引越し業者は運送の引受けを拒絶することができるとされています。従って、これらの貴重品は自分で運べるように整理しておく必要があります。また、ノートパソコンなど個人情報がもれる心配のあるものは、バックアップをとって自分で運びましょう。
引越し業者のなかには、ブランドバッグや毛皮製品の保管も依頼者自身で行うように指定している場合もあります。そのため、「自分で運ばなければならないもの」を事前に引越し業者に確認しておくと安心です。
そのほか、美術品や骨董品、高価な家具などは引越し業者に申告し、保険に入るなどの対策もしておきましょう。引越し業者によっては、自社指定の保険を付けた場合のみ運送する事業者場合もあります。
事前に片付け・準備・荷造りが終わらなさそうと分かったら
何度もご紹介していますが、引越し準備が終わらないとわかったらすぐに行動に移すことがポイントです。解約手数料や延期手数料が発生する前に解約・延期を申し出たり、荷造りを知人や業者に手伝ってもらったりなど、やるべきことを行いましょう。避けたいのは、引越し当日まで何もせず引越し業者が到着してから事情を伝えることです。引越し業者もスケジュールを組んで依頼を受けていることを忘れないようにしましょう。
引越し業者に相談する
先ほどは引越し業者に追加料金を支払い、梱包作業の依頼をすることについてご紹介しました。そのほか、引越し業者に事前に相談できることとして、日程や時間の変更が挙げられます。解約手数料や延期手数料が請求されるのは見積書に記載された受取日の2日前や前日、当日に解約・延期を申し出た場合です。従って、3日前までに解約・延期を申し出れば手数料を請求されずに済むでしょう。
引越し準備が終わらないことがわかったら、なるべく早く日程や時間変更の相談をしましょう。ただし、繁忙期の場合は近い日程や時間の延期ができない可能性もあります。万が一変更ができなければ、一度解約して他の引越し業者に依頼し直す方法も検討しましょう。
知人や荷造り代行業者に相談する
まずは家族や友人に荷造りを手伝ってもらえないか相談してみましょう。家族や友人に手伝ってもらった場合は、謝礼を用意する、あるいはご飯をご馳走するなどのお礼を忘れないようにします。
手伝ってもらうのが難しければ、荷造り代行サービスや便利屋など業者への依頼をおすすめします。ただし、ダンボールや緩衝材は自分で用意する場合が多いため、梱包材だけでも用意しておくと安心です。ダンボールはスーパーや薬局などで頼めば無料でもらえる場合もあります。荷造り専門の業者に依頼すれば、プロが荷造りするので効率的です。また、荷造り専門業者は、荷造りのみを依頼することから料金体系がわかりやすく、当日依頼が可能な場合もある点が強みです。一方、3時間ほどで約15,000円と交通費が発生することもあるため、引越し料金がかさむケースもあります。
まとめ
この記事では、引越しの荷造りが終わらなかったときの対処法についてご紹介しました。特に初めて引越しをする場合は、計画がうまく立てられず、準備が間に合わないこともあるでしょう。引越し当日ギリギリまで放っておくのではなく、早めに対処するのが重要です。
計画的に引越し作業を行って、余裕を持って新生活を迎えましょう。