目次

- 引越し料金が時間帯によって異なる理由は引越し業者が稼働率のバランスをとるためです
- 午前便・午後便・フリー便の順に引越しの料金は安くなります
- ただし同順番で自由度や利便性も下がります
- 通常期を狙ったり荷物量を減らしたりするなど時間帯以外で引越し料金を安くする方法もたくさんあります
- トラブルを防ぐためにも旧居新居ともに近隣住民に引越しの日時をアナウンスしましょう
引越しの料金はさまざまな条件で決まりますが、そのうちの一つに時間帯があります。そのため、選ぶ時間帯によっては大幅に料金をおさえられる可能性があるので、できるだけリーズナブルに引越したい場合は、引越す時期や日にちだけでなく時間帯にもこだわりたいところです。
そこで今回は、時間帯別の料金の特徴に触れながら、引越しの料金が最も安くなる時間帯を紹介。また、時間帯以外で引越し料金をおさえる方法についても解説しているので、できるだけ引越し料金を安くおさえたい人はぜひ参考にしてみてください。
引越し料金が時間帯で異なる理由

引越しの料金が時間帯によって異なる理由は、引越し業者が予約の少ない時間帯の稼働率を上げたいからです。荷物の量や移動距離によって時間が変わりますが、引越し作業は短くても2~3時間はかかります。長い場合は丸1日以上かかることも珍しくありません。そのため、午前中に作業を開始してほしいと望む人が多く、必然的に予約は午前中に集中します。
午前中にばかり予約が集まってしまうと、午後からであれば対応できた引越しもお断りしなくていけない状況に陥ります。売上にも関係してくるので、引越し業者としてもこの状況は良いとは言えないでしょう。
そこで午前中は料金を高めに設定する一方で、午後やフリー便には料金による優遇を設けることで、稼働率を分散しようとしているのです。そのため、時間帯による料金差が発生するようになっています。
時間帯別!引越し料金の特徴

引越し業者では、主に下記の3つに時間帯を区切っています。
- 午前便
- 午後便
- フリー便
午前、午後、フリーの順に料金は安くなりますが、利便性も順に下がるのが特徴です。それぞれの特徴とどのように引越ししたいのかの希望を擦り合わせながら、時間帯を選択してみましょう。
午前便の料金の特徴
時間帯のなかで最も料金が上がるのが午前便です。なぜなら引越しは時間がかかるゆえに、早めに作業を開始して、早めに終わらせたいと考える人が多いからです。そのため、引越しの予約は午前中に集中する傾向にあります。需要が上がれば、料金も高騰するため、午前便で依頼すると引越し料金が高くなるのです。
料金は高くなりますが、午前便で依頼することにはメリットもあります。先に少し触れていますが、引越し作業を早めに始められるため、必然的に終わるのも早くなるという点は午前中に依頼するからこそ得られるメリットです。
旧居と新居の距離や荷物の量などにもよりますが、午前中に搬出作業を行えば、午後には搬入作業も終わるでしょう。そうすると、午後の余った時間を利用して荷解きも進められます。荷物が少ない場合は、その日のうちに荷解きが終わり、次の日より通常の生活を送れる、ということも考えられるでしょう。
午後便の料金の特徴
午後便は午前便で依頼するよりも引越しにかかる料金が下がる傾向にあります。前述のとおり、1日のなかでも引越しの需要が集中するのが午前便です。引越し業者としては午前中に依頼が集中して午後は予約がないというアンバランスな状況を解消し、効率良く作業したいと考えているので、午後にも依頼が入るように料金を下げていることがほとんどです。
そのため、少し作業開始時間が遅くなっても大丈夫という場合は、午後便を利用すると引越しにかかる出費をおさえられるでしょう。ただし、午前中に別の引越しが入っている場合、その引越しの作業進捗によっては午後便に遅延が生じる点には注意が必要です。引越し作業の開始が遅れると当然ですが終わりも遅くなるため、午後便を選択する際はほかに予定を入れないことをおすすめします。
フリー便の料金の特徴
午前でも午後でもないフリー便とは、日にちだけ指定して、作業の開始時間を引越し業者にお任せするプランです。引越し業者の都合に合わせて引越しすることになるので、3区分のなかで最も安い料金設定になっているのが特徴。そのため、できるだけ料金をおさえて引越しをしたい場合はフリー便がおすすめです。
ただし、作業の開始時間は引越し業者に一任されているので、いつ引越しが始まるかがわからないというデメリットがあります。ほとんどの場合、午前中の引越しが終わってからの作業となるので、午後もしくは夕方から引越し作業がはじまると考えておくと良いでしょう。
引越しする時期や曜日などによっては、作業が深夜にまで及ぶ可能性もあるため、フリー便を利用する場合は引越し後や次の日の予定を空けておくことをおすすめします。
時間帯以外で引越し料金を安くおさえる方法

引越し作業を開始する時間帯の選択以外でも、下記のような方法で引越し料金を下げられます。
- 通常期に引越しする
- 平日に引越しする
- 月末・月初の引越しを避ける
- 複数の引越し業者に見積もりを依頼する
- 大安の引越しを避ける
- 荷物量を減らす
ポイントはやはり、需要が高い日を避けることです。「需要が高い=引越し料金が高い」ので、需要が低い日や時期を選択すると、引越し料金はおさえられます。ほかには相見積もりを取って、引越し業者に交渉を持ちかけたり、単純に荷物の量を減らしたりすることで引越しにかかるコストを下げられます。
通常期に引越しする
引越し業界には下記のとおり、繁忙期と通常期があります。
- 繁忙期:3~4月
- 通常期:5~2月
繁忙期である3~4月は、進学や就職などで移動が多くなるため、自ずと引越しの需要も高まります。そのため、1年のなかで最も引越し料金が上がる時期でもあるのが繁忙期です。
一方で、引越しの需要が落ち着く5~2月は繁忙期に比べて引越し料金が落ち着きます。ただし、8~10月は学期の区切りで引越しを考えるファミリー層や、異動がある社会人などが引越しを考える時期でもあるため、引越しの需要が高まります。繁忙期ほどではありませんが、「第二の繁忙期」とも呼ばれるこの時期は、通常期のなかでは料金が高くなりやすいので注意が必要です。
そして、通常期のなかでも特に引越し料金が安くなるのが、第二のラッシュを終え引越し件数も落ち着く11~1月頃です。引越しの時期を選べる場合は、この時期に引越しを予定すると、引越し料金を大幅におさえることができるでしょう。
平日に引越しする
次に考慮したいのが、引越しをする曜日です。引越しは仕事や学校が休みの土日・祝日に集中する傾向にあります。そのため、土日・祝日にかかる引越し料金は自ずと高騰するのがわかるでしょう。一方で、平日は予約が入りづらいという特徴があります。つまりこれは、平日に引越す方が料金が安くなるということを意味します。
平日のなかでも午前中は予約が入りやすいので、午後便もしくはフリー便を狙うのがベスト。午前中に予約がない場合は、フリー便でも午前中から作業してくれるというラッキーな状況になる可能性も無きにしもあらずです。
ただし、先述のとおり午前中に引越しの予約が入っており、作業が遅れた場合は、午後便・フリー便にも影響がでる点には注意が必要です。平日だからといって油断するのではなく、引越し当日は引越し以外の予定を入れないようにすることをおすすめします。
月末・月初の引越しを避ける
賃貸の場合、月末までの契約である場合が多く、また入社や転勤、入学などは「1日」に設定されている場合が多いため、月のなかでも月末・月初に引越しが集中します。それに伴い、月末・月初は引越し料金も高めに設定されているため、リーズナブルに引越しをしたい場合は月末・月初を避けた方が良いでしょう。
引越し業者によっては、「お得日カレンダー」で、1ヶ月のなかでもお得に引越しできる日にちを公開している場合もあります。業者がある程度絞れてきたら、こうした情報を参考に日にちを選ぶと、お得な引越しが叶うでしょう。
複数の引越し業者に見積もりを依頼する
引越し業者といっても、大手から中小事業者までさまざまです。また、各引越し業者によってサービスの内容も料金設定も異なるため、はじめから1社だけに見積もりを依頼して決めてしまうと知らないうちに損をしている可能性もあります。そのため、引越し業者を決める際は複数の引越し業者に見積もりを取りましょう。そのうえで引越し業者に交渉を持ちかけると、よりお得に引越しできます。
ポイントは、金額だけで決めるのではなくサービスの内容も比較することです。「A社はB社よりも1,000円安いけど、B社は資材を無料で提供してくれる」といった場合、荷物量などにもよりますが、結果的にB社の方が安く済む可能性もあります。そのため、単純な見積もり料金だけでなく、サービスにも注目して引越し業者に交渉すると良いでしょう。
大安の引越しを避ける
進学や就職、結婚などによる引越しは人生の一大イベントでもあるため、お日柄を気にする人も多く、たとえば大安などの縁起が良いとされる日に予約が集中する傾向にあります。そのため、縁起が良い日は引越し料金も高めに設定されていることがほとんどです。
これは裏を返せば縁起が良くないとされる仏滅や赤口を選ぶと、安く引越しができるということ。特にお日柄が気にならないという場合は、積極的にこうした日にちを選ぶとお得に引越しができるでしょう。
荷物量を減らす
引越しの料金は、荷物の量によっても決まります。なぜなら荷物の量によってトラックの大きさや作業にかかる時間、必要な人数が決まるからです。当然ですが、荷物量が多ければ多いほど料金は高くなります。そのため、荷物はできるだけ減らした方が、料金をおさえられます。
また、引越し料金が安くなる以外にも、荷造り・荷解きが楽になるといったメリットもあります。引越し業者によっては、荷造りから荷解きまでを行ってくれるサービスもありますが、依頼する作業範囲が増えればそれだけ料金も上がるため、それでは本末転倒です。そのため、引越しが決まったら少しずつ荷物の整理を始めましょう。
何をどうやって処分すれば良いか分からない場合は、こちらの記事で荷物を減らす方法について紹介しているので、合わせてご確認ください。
引越しの時間帯に関する注意点

引越しする時間帯によっては近隣住民などに迷惑をかける可能性もあります。そのため下記のような点に注意して、引越し当日を迎えましょう。
【引越しの時間帯に関する注意点】
- 近隣住民に引越し日時を伝える
- 作業する時間帯の道路事情を確認する
- 荷造りは前日までに済ませる
旧居では荷物の搬出で、新居では荷物の搬入で、廊下や道路を塞ぐ可能性があります。また、作業する際の作業員の話し声などが騒音トラブルに繋がる可能性も考えられます。そのため、近隣住民には事前に説明が必要です。また、通勤・通学の邪魔にならないように、道路事情もあらかじめ確認しておきましょう。
近隣住民に引越し日時を伝える
引越しの際は多少なりとも音が発生します。また、廊下や道路を荷物やトラックで塞いでしまう可能性もあるので、場合によってはトラブルに発展することも考えられるでしょう。そのため、近隣住民には挨拶もかねて事前に引越しする日時を伝えておく必要があります。
引越しの日時を伝えるのは旧居、新居ともに前日までには済ませておきましょう。余裕があれば1週間前から予告しておくと、近隣住民の方も引越し当日の予定に融通を利かせやすくなります。引越しの挨拶に関するマナーや手土産、タイミングなどに関してはこちらの記事を参考にしてみてください。
作業する時間帯の道路事情を確認する
引越し作業をする時間帯によっては通勤や通学の時間と被るため、近隣住民に迷惑がかかる可能性もあります。その点も含めて、前述の「日時を伝える」のですが、できるだけ迷惑がかからないようにするための対策を考えることも重要です。
たとえば、通行の邪魔にならないトラックの駐車場所や積載前の荷物を一時的に置いておく場所など、できるだけ近隣住民に迷惑がかからない方法を考えておきましょう。
荷造りは前日までに済ませる
荷物が少ない場合でも荷造りは前日までに済ませておくのがセオリーです。引越しを依頼する時間帯にもよりますが、引越し業者の到着までに荷造りが終わらない可能性もあるからです。
その場合、引越し業者に荷造りを依頼することになり、高確率で追加費用を請求されることになるでしょう。費用が発生するだけでなく、引越し作業自体も長引いてしまうため、予定どおりに引越しが進まなくなるというデメリットもあります。最悪の場合、その日に引越しができず当日キャンセルとなり、キャンセル料を請求された上で後日、引越しをする可能性もあります。
また、「当日の早朝に頑張れば終わる」程度の荷物量だとしても、物を移動させる音により近隣住民に迷惑をかける可能性が高くなるのでおすすめできません。最後とはいえ、悪い印象を残していくのはお互いに良くありません。「立つ鳥跡を濁さず」ではありませんが、気持ちの良い最後となるように、荷造りにおいても近隣住民に配慮して行いましょう。
フリー便を取り扱っている引越し業者3選

引越し業者を利用するうえで、最も料金が安くなるフリー便のプランを提供しているおすすめの引越し業者を3社ピックアップしています。
- アート引越センター
- サカイ引越センター
- 単身引越しナビ
フリー便とひと言で言っても各社打ち出しているサービスの内容が異なります。自分が望む引越しとそれぞれのメリット・デメリットを擦り合わせてみて、最適な引越し業者を選択しましょう。
アート引越センター

引用元:アート引越センター
アート引越センターでは、おまかせパック、学割パック、レディースパック、シニアパックの4つのパックを提供。各パックにおいて、基本コース、ハーフコース(荷造り含む)、フルコース(荷造り、荷解き含む)があり、作業範囲も選択できるうえにフリー便を指定することが可能です。
フリー便を利用する際にも、見積もり時に作業開始時間の目安を教えてくれるので、いつ来るか不安という人でも安心して依頼できます。ただし、予約状況や荷物の量によっては利用をお断りされる場合もあるので、事前に相談することをおすすめします。
見積もり方法 | Webフォーム、電話、オンライン、LINE |
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単身引越しパック | ○ |
対応エリア | 全国 |
支払い方法 | 現金、クレジットカード、二次元コード決済 |
サカイ引越センター

引用元:サカイ引越センター
業界最大手のサカイ引越センターでは、単身者向けに「ご一緒便プラン」というフリー便を用意しています。ご一緒便プランは混載便(ほかの人の荷物と一緒に運ぶ)で、かつフリー便であるため、よりリーズナブルに引越しできます。
ただし、注意が必要なのがほかの引越し業者のフリー便はその日のうちに荷物を届けてくれますが、混載便でもある「ご一緒便プラン」では、その日のうちに荷物が届かない場合もある点です。いわば宅配便のような形式になるので、荷物の到着が遅れても良い人におすすめのプランです。
見積もり方法 | 電話、LINE、Webフォーム、ビデオ通話 |
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単身引越しパック | ○ |
対応エリア | 全国 ※一部離島を除く |
支払い方法 | 現金、事前振込 |
単身引越しナビ
引用元:単身引越しナビ
電話なしで、かつ引越し業者とのやり取りを極力少なくしたい単身者には当サイトが提供する定額引越しサービスの「単身引越しナビ」がおすすめです。荷物の制限は2トンのショートトラックに載せられるだけなので料金体系も非常にわかりやすく、見積もりの時間が削減できるようになっています。やや大型の家具や家電があっても、既定のサイズに収まるのであれば料金は変わりません。希望日入力後でも、電話対応は単身引越しナビかマッチングした引越し業者だけなので安心して利用できます。しつこい営業電話も、訪問見積もりもないので、じっくりと引越し準備を進められるでしょう。
ネットから申し込んだら、マッチングまで待っていればOK。マッチング後はメールの案内に沿って、申込み手続きをネットで行うだけ。あとは当日までに梱包を済ませるだけです。梱包で使うダンボールも20枚ついてくるので、梱包資材の調達は必要ありません。時間のない人、できるだけ手間を少なくして引越ししたい人は、ぜひ利用してみてください。
見積もり方法 | Webフォーム |
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単身引越しパック | ○ |
対応エリア | 札幌、仙台、首都圏、近畿、東海、福岡 |
支払い方法 | クレジットカード、現金 |
まとめ
引越しの料金は需要の高低で大きく変動します。時期や日にちはもちろん、時間帯によってもニーズの大小が違ってくるので、引越しをする際は時間帯にまでこだわりましょう。そうすることで、よりお得な引越しを実現できます。
また、引越しの際は、時間帯によっては近隣住民に迷惑をかけることもあります。トラブルに発展する可能性も否めないので、旧居・新居ともに引越しの挨拶をする際に、作業を行う日時は最低限、伝えておくことをおすすめします。